【高額有料級】基本セットアップ解説
今回は、市販車でも交換可能な「バネ」「スタビライザー」「バンプストップ」、そして「車高」という、車の基本的な動きに関連する重要な3つのパーツについて、わかりやすく説明します。
より詳細な内容については、こちらで紹介していますので、是非ご覧ください。
基礎編
まずは、車の動きを決める「バネ」と「スタビライザー」について説明します。また、サスペンションが大きく動いた際に関係してくる「サスペンションストローク」や「バンプストップ」についても触れていきます。
バネ(スプリング)
バネは、荷重を支える役割を担う重要なパーツです。大きな荷重がかかればバネが大きくストロークし、逆に固いバネは小さくストロークします。セットアップでは、これがとても重要なポイントとなります。
例えば、加速時はフロントが浮き、リアが沈みます。一方、減速時にはフロントが沈み、リアが浮きます。この動きを考慮してバネレートを調整することで、車が自然に動きやすくなり、タイヤを効率的に使えるようになります。
スタビライザー
スタビライザーは左右のサスペンションを接続しており、車がロールする際にのみ働きます。そのため、バネレートを設定した後、さらにロール量を調整するためにスタビライザーを調整します。
スタビライザーを硬くすることで、特に高速コーナーでのロール量を抑え、速く走れるようになります。ただし、硬くしすぎるとサスペンションが自由に動きにくくなり、荷重移動が難しくなります。そのため、斜め方向でのメカニカルグリップが欲しい場合はスタビライザーではなくバネレートで調整することをおすすめします
車高
車高は、アクセルやブレーキを踏んでいない時の前後の荷重バランスを調整します。
例えば、コーナーを曲がりやすくしたい場合はリアを少し上げ、フロントを少し下げます。また、オーバーステアが出る場合は、フロントを上げるかリアを下げることでバランスを改善できます。
バンプストップ
バンプストップは、サスペンションが縮みすぎるのを防ぐためのパーツです。これは、サーキットなどでバネが沈みすぎて荷重がかかりすぎるのを防ぎ、安定性を保ちます。
特に、前後の重量バランスが悪い車では、減速時のオーバーステアを防ぐためにフロントで、加速時のアンダーステアを防ぐためにリアでバンプストップを活用することができます。ただし、当たりすぎるとグリップが失われるため注意が必要です。
応用編
ここからは、もう少し深いセットアップについて説明します。結論から言うと、バネは「ピッチング方向」、スタビライザーは「ロール方向」と、それぞれの役割を分けて考えると、より自然で効果的な動きが実現できます。
バネの調整
バネは車の荷重を支えるパーツなので、バネレートを設定する際は、まず車の前後の重量バランスを確認することが重要です。車検証に「軸重」として記載されていますので、ぜひ参考にしてください。
さらに、レバー比を考慮して、コースやタイヤの特徴、好みに応じてバネレートを微調整します。一般的には、平均速度が低いコースでは柔らかめに、平均速度が高いコースでは硬めに設定します。
ブレーキをかけたときにはピッチング(前後の傾き)をなるべく少なくし、加速時には駆動輪にしっかりと荷重がかかるように設定します。特にFF車はピッチングを少なく、FR車はピッチングを多くすることで、トラクションが向上します。
スタビライザーの調整
スタビライザーは車の前後ロール剛性配分を調整するパーツで、前後のタイヤにかかる荷重を調整できます。
フロントが重い車では、フロントが、リアが重い車ではリアがロールの限界に達しやすくなり、滑りやすくなります。このような場合、FR車はフロントを柔らかく、リアを固く、MR・RR車ではフロントを硬く、リアを柔らかく設定することで、タイヤへの荷重が均等にかかり、グリップを効率的に利用できます。
もし前後の重量バランスが良い場合は、前後ともにバランス良くスタビライザーを設定するのが効果的です。
バンプストップの調整
バンプストップは、バネやスタビライザー、車高調整でカバーできない部分に使います。可能であれば純正品や車高調に付属する柔らかめのバンプストップを使うことをおすすめします。
あまりに柔らかいバンプストップのみを使うと、サスペンションが完全に縮んでしまい、最悪の場合サスペンションの破損につながる恐れがあるため、変更する際は慎重に行いましょう。
これで基本的なサスペンションセッティングの応用編は終了です!
以上で応用編の説明も終わりです。さらにセットアップについての記事を増やしていく予定なので、「スキ」や「フォロー」していただけると嬉しいです!