シオコレ3周年企画!支援先インタビュー(Giving Tree編)

『シオコレ3周年企画!支援先インタビュー』!

みなさんが寄付してくださったお洋服、
またお洋服を購入いただいたお代金が

塩屋のNPO 法人GivingTree
そして神戸の音遊びの会の活動に役立っています。

支援先のためのチャリティーショップです。
支援先のことをみなさんにもっと知っていただきたい。

シオコレにも、普段の生活の中でできることが実はまだまだあることに
気づかされる企画となりました。

第1弾は、NPO法人GivingTreeの野口婦美子さんと畑山麗衣さんのインタビューです。

塩屋で里親(さまざまな理由で親と暮らせない子どもたちを親に代わって養育する家庭)への相談支援の他、経済的・精神的に孤立しがちな児童養護施設や里親家庭等から自立した若者を、食の支援などを通して見守り、長く支えていく活動をされています。コロナ禍開けてからの、また最近の状況をあらためて伺いました。


インタビュー前編

野口さん:お世話になってますー!

シオコレ:こちらこそですー!
早速ですがギビングさんの近況をきかせてください。

野口さん: コロナ禍をへても変わらず、2-3ヶ月に1回程度、児童養護施設とか里親家庭を出て暮らす、希望される方に、「ふるさとギフト」として食材とか生活用品をお送りしています。
シオコレさんからの支援金は主に、やはりその送料に使わせていただいています。
里親家庭から出たときや、学校卒業後に進学とか就職して、1人暮らしする方が新しく「ふるさとギフト」を受け取るメンバーになったり、ずっと継続している方で、生活が安定してきて、自分でやっていけますという方の支援が終了したり入れ替わりはあります。

最近少し増えてるのがシングル家庭で、必要に応じて希望にそうかたちで子供の服やミルク・おむつなどを送ったり、特に困っている場合には少し頻度を上げて送ったりもしています。

送る品物は関西フードバンクさんやフリーヘルプさんからいただいたものです。最近は化粧品の寄付もあって、希望者には送ることもありますし、生理用品は喜ばれるので購入して送ったりもしています。

シオコレ:ギビングツリーとして新たに進められている取り組みや、以前と変わった動きなどはあったりしますか。

野口さん:スタッフの人手不足もあって、新しく何かを始めることは難しいですね。

最近、徐々にケアリーバーという言葉やケアリーバーへのサポートが必要だということが認知されてきて、全国の行政がさまざまな取り組みを始めているんです。その流れで他県の行政からの紹介で、進学などで関西に来た子とギビングツリーが繋がって、ふるさとギフトを送ることも出てきましたね。

兵庫県では今年度からケアリーバーのサポートを行うための窓口もできましたが、できることできないことがあるので、ギビングツリーのように個々のケアリーバーに対応したりフレキシブルに動けるNPOの活動はとても重要と思います。

※ケアリーバー= 児童養護施設や里親などの社会的養護のケアから離れた子ども・若者のこと

シオコレ:子育て世帯サポートの活動はいかがですか。

野口さん:これは神戸市からの委託を受けて実施している事業で、今年で4年目、利用する人が増え地域から必要とされていると感じています。
子育ての、ちょっとした困りごとや悩みを気軽にスタッフに相談できたり、親ごさんどうしで話したりできる場が地域にあることが大切なんですね。
場があることで、お洋服や絵本といったものの交換や、情報が集まって回っていくこと、人と人が繋がっていくことが自然発生的に起こって、子育てにとって、とてもよいところになっていると思っています。

シオコレ:そのこと、近所のママたちからよく耳にします!先日もシオコレコーデリレー記事に書いていただきました。

野口さん:他の地域からも来ている人がいたり、学校に行きにくい子が寄れる場所にもなっているようです。家族以外の人と週一回話しているうちに少しずつ他の場にも行けるようになったり。続けていると、子どもたちの成長を見られるのも嬉しいですね。

インタビュー後半

シオコレ: 3年たってみて、チャリティーショップについてはどう思われるようになりましたか?

野口さん:ものが大切にされて町で循環するのもよいことやし、シオコレの広報や色んなイベントで、明るくギビングツリーのことを知ってもらう機会が増えたことも、わたしたちにはできないことだからありがたいと思っています。 お金をいただいていますが、それはお洋服持ってきてくれる方、お客さん、スタッフ、関わる人や町のみなさんからのあったかい気持ちやなと。気持ちを受け取っているなと思います。それに、ギビングツリーが預かった衣類で残ったものをシオコレに持ち込めるのはとても助かっています。

シオコレ:ケアが必要な方々に直接関わってサポートされているギビングさんの活動こそ、ありがたいことだと思っているので、シオコレも他にも何かできることを増やしていけたらと思っています。

畑山さん:ケアリーバーにスーツなどの衣類をつなげられたらいいのですけど、置いておくスペース確保も難しいですし、実際のところ塩屋に直接来られない状況の方も多いので、オンラインでできるようになるとよいなあと思っています。

シオコレ:それは3年前からずっと言ってくださっていますね。シオコレも人手不足だったり、中々実現から程遠いと思っていましたが、たとえば最近、塩屋のママさんたちにメルカリの業務をお願いしてみたんです。連絡必要なく好きなときに好きなだけ働いていただけて、送り迎えのスキマなんかに来れることが喜ばれました。こちらもとてもありがたい。資金面で、もう少し余裕が必要ではありますが、何かしらのしくみがあればケアリーバー対応業務も夢ではないかもしれないと今は思えます。ずっと念頭に置いておきます。

シオコレ:ギビングツリーのこれからについてきかせてください。

畑山さん:ケアリーバーが自身の育った児童養護施設や里親家庭からサポートを受けている例も、もちろんあるんです。良好な関係性が続いている場合はそれが可能なのですが、関係性の構築がうまくいかず、施設や里親を頼ることができないケアリーバーが、一人暮らしをする中で厳しい生活を送っているケースが多々あります。その現状から昨年児童福祉法が改正されたり、先ほど野口からもありましたように、今年度からケアリーバーへのサポートを行うための窓口が全国にでき始めているんです。一人でも多くのケアリーバーに支援が届くことを願っています。またGiving Treeとしても、サポートを必要とするケアリーバーが一人で悩むのではなく、Giving Treeにちょっと連絡してみようと思い出してもらえるような場所になっていたら嬉しいです。

シオコレ:シオコレからもケアリーバーとギビングさんを繋ぐことができるようになれないものだろうか…。 野口さんはいかがですか。

野口さん:地域に繋がりがあって、近所づきあいの中で気にかけてくれる、困ったら助けてくれる人たちがいて環境があったら、サポートのための施設は、本来なら要らないものやと私は思っているんです。子ども食堂の活動でお弁当の配達もしているのでよくわかるのですが、塩屋は比較的地域の繋がりがある方だと思います。塩屋外に配達すると、まわりとの関係がなく引きこもってしまっている家庭がしばしばあって、でもそういう人たちもやっぱり人との繋がりを求めているんです。そんな家庭にこそ支援が必要だと強く思っています。

シオコレ:対処療法的な対策じゃなくて根本的なところへのアプローチができるかどうかは、近くに住む人たちの動き方、暮らし方、関わり方によるところがほんとうに大きいですね。塩屋に暮らして私たちも日々地域の繋がりのありがたさ、重要さを感じていますが、お話をうかがえて、とてもよかったです。あらためて考え直す機会になります。ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします!


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