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シオコレ×フリーヘルプ(前編)

(この記事は2021年8月10日、シオヤコレクションがクラウドファンディングに挑戦していた際にMOTION GALLERYに投稿した記事を転載しています)

5月のオープン直前にさせていただいていた対談をようやくまとめることができました!前編、中編、後編と続きます。
長くなりますがシオヤコレクションのことを知っていただくためにも、たいへん重要な内容となっております。ご一読いただけましたら幸いです。本日は前編!!

シオヤコレクション(以下、シオコレ)が今熱い方々にお話を聞く対談企画第3弾!
シオコレ憧れの大先輩、新長田のチャリティーショップ・フリーヘルプ※について「NPO法人フリーヘルプ」代表、西本精五さんにお話をうかがいました!

(※フリーヘルプは2023年9月に「やさしい職場 フリーヘルプ」と名称新たに板宿に移転、支援先をひきこもりの方々を支援する「オレンジの会」に変更されています。)



シオコレ:チャリティーショップ・フリーヘルプについて、あらためてきかせてください!

西本さん:欧米には当たり前にある、イギリス発祥の「チャリティーショップ」を日本に広めたいと思って始めました。
きっかけは古着屋を長くやっていて、日本の古着があまりにも無駄になっていると感じていたこと。日本にはチャリティーショップというシステムがないからね。日本だけ世界で珍しく買取りという歴史慣習があるせいで、安く大量生産されたファストファッションが溢れた近年は洋服の再利用価値が下がってしまい、古着回収業者が儲からなくなったんです。回収業者がどんどん減って、今、日本の古着再利用率は2割を切ってる。これは世界でも恥ずかしいほどの再活用率です。地球に優しくありません。

シオコレ:ほとんどが捨てられて焼却されていると。

西本さん:それをなんとかしたいと思いました。買い取らずに回収したらなんぼでも集まって、それをうまく再活用することで収益を上げられるということを証明したかったんです。そのようにしてフリーヘルプは最初はリサイクルの裾野を広げるということから始まりました。けれど結局は「優しい職場」を作ること、そして福祉活動や地域活動をしたかった。助成金とか委託事業は期限があって活動をやめなければいけない場合もあるけど、収益事業でやるわけですから、ずっと続けていけるんです。

おかげでフリーヘルプは途中でやめた事業=支援がない。一度始めたらよほどのことでない限り続きます。
やめた例は、フィリピンへの物資支援。紹介された団体が小さかった。家族支援か何なのかわからなくなり、遠いから検証もできなかった。だから海外支援はやめました。そういうこともあって今は地域(地元)支援に力を入れています。いつでもお互いに見られるし話せるからね。そういった地域支援というのは日本ではすごく少なくて、とても意味があることです。
だから、シオコレが塩屋のギビングツリーや音遊びの会などに力を入れていることはすごくよいと思う。
行政は局所的なことはできないでしょう。地域全体を見ないといけないから。イギリスでは行政自体も市民も「行政ができないことがたくさんある」ということを理解して認めています。だから行政は、行政ができない部分を、そこは自分たちがやるよという市民に任せるし、その活動をサポートして、お互いに支え合う関係性がある。

シオコレ:チャリティーショップの家賃は行政が出すなどしていますね。やはり社会として成熟していると思いますー。

西本さん:そうですね。だからチャリティーショップにとって「市民が必要としている活動」をしている「ペアレント団体」が何より大切、根幹です。それをサポート、応援するのがチャリティーショップの役割です。フリーヘルプのペアレント団体はWACCA※シオコレの場合はギビングツリーと音遊びの会ですね。

※WACCA(わっか:プロジェクトは、困難を抱える女性やシングルマザーと子どもたちの孤立感を解消し、安心や自信を回復し、人や社会への信頼感を取り戻し、生活再建を支援することを目的にしています。女性・シングルマザーとその子どもたちの居場所と仲間作りの場づくりをしています。https://wacca27.wixsite.com/wacca)

西本さん:イギリスでは、超有名な世界的デザイナーなどがチャリティーショップをプロデュースしたりします。わかりやすく例えて言えば「ミヤケイッセイfor音遊びの会」みたいなお店ができるわけですよ。カッコいいからみんな買いに行く。その収益がペアレント団体に入るわけです。

シオコレ:すごーい!次元が違う!!でも夢がありますね!

西本さん:塩屋にはアーティストがたくさんいるんだから、例えばリメイクでもアーティストの意見を訊いて、ネームを入れてもらって出すとかね、全然センスが違うからアイデアをもらうだけでも色んなことができると思う。

シオコレ:アーティストさん×シオコレは、やっていきたいですね。
フリーヘルプはWACCAさんを含むペアレント数団体に年間200万円〜300万円の寄付をされています。それによってペアレント団体の活動の幅が大きく広がったとおっしゃっていましたが、具体的にはどのように広がっていったのですか。

西本さん:例えばWACCAさんは、就業支援などの活動だけではなく、シングルマザーの、子どもたちの学習支援の場を求める声に応えられるようになり、お母さん対象の講座や相談会も増えて、より活動が充実しました。助成金のようにこれに使わないといけないといった縛りが無いのも大きいですね。
フリーヘルプは日本でそういうチャリティーシステムのモデルケースになりたいと、ずっとやっているんです。

シオコレ:なってますよ!私たちはそれを見せていただけて、本当にラッキーです!!
(中編に続く)


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