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映画と本

映画『PERFECT DAYS』で登場する書籍が公式サイトで紹介されていたので
三冊とも読んでみた。collection | PERFECT DAYS 公式サイト (perfectdays-movie.jp)

幸田文『木』
 素晴らしく流麗な日本語表現が堪能できる。そしてさまざまな樹木にまつわる物語。幸田の木に対する愛着を知らなかったので、意外な驚きもあり。

パトリシア・ハイスミス『11の物語』
 短編集。劇中では「すっぽん」という物語が引用されている。
この作家の本は初めて読んだ。最初の物語がかなりグロテスクで、朝の通勤電車で読んだものだから、かなり衝撃が大きかった。そして「すっぽん」もとても辛いお話で、読んでから映画の場面や台詞を振り返ると、それらのシーンの印象や理解もちょっと変化する。

ウィリアム・フォークナー『野生の棕櫚』
 読み始めはなんだか地味な物語なのかな・・・と思いきや、最終的にはものすごくダイナミックなうねりのある長編小説であって、(この本を読むには数日間かかった)そしてなぜだか映画の主人公のように、確かに寝落ちする。面白くて展開が気になって仕方がないにも関わらず、寝落ちする。不思議だ。どうしてこんなに眠たくなるのだろうか。
 小説自体はいかにもアメリカ文学、という感じで小説の中で洪水が起きても、泳いでいても、かわいている。この「常にドライな状態」にアメリカを感じる。


 
 


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