安藤 栞

大きな湖で小さな波紋が起こるほどの

安藤 栞

大きな湖で小さな波紋が起こるほどの

最近の記事

魔法使い

幼いわたしには 詩を書くことと生きることはイコールだった 今は書かなくても生きていける 生きていくことがそんなに重荷ではなくなったからだ、と思っている。わたしたちは必ず死んでしまう。それはとても悲しいことなのだけれど、その事実は少しだけわたしを身軽にする。この身体がただの入れ物なのだとしたら隅々まで使い尽くさなくては、と思う そういう思いの中で、書くことは生きることから独立した それは少し寂しかったりするのだけれど わたしは今のわたしが割と好きだ 生命よりも言葉のほう

    • 希望

      希望は強さになる、と六月のわたしに言われた 悲しい日記だったはずなのにそう締め括られていた 死んだら誰かに読まれちゃうのかなぁ、と どこかで思いながら日記を書いてきたけれど 遺言 それだけではなかった 伝言 救い 応援 忠告 或いは祈り 希望は強さになる、と改めてここに書き残す