見出し画像

くすぐり界隈における「健全」とは何か

はじめに

くすぐり界隈において「健全」とは何か。
これは私がくすぐりのTwitterアカウントを作った時から考え続けている問いの一つである。

約2年程前に、「健全」とは何かを辞書的な意味から定義して、ケン・ウィルバーの四象限理論を用いて考察した記事をnoteに書きました。

小難しいこと書いてるけど、この時は「健全」という言葉をある種「表面的」にしか捉えておらず、自分の中でもしっくりと腑に落ちないような結論に至った。

しかし、最近ようやく「自分の考えている健全とは、こういう意味なのではないか」と納得できるような考えが思い浮かんだため、本稿では改めてくすぐり界隈における「健全」とは何かについてnoteに記していきたいと思います。

なお、今回は学術的に根拠のあるような話ではなく、どちらかと言えば自分の感覚的な考えや、私自信の過去の経験を踏まえた話になるので、気楽に読み進めて頂ければ幸いです。

健全とは何か

結論から先に述べると、界隈における健全とは下記であると私は考える。

「くすぐり界隈における健全とは、自分の好きな性癖を堂々と好きであると発信できる環境であること」

物心付く前からくすぐりフェチに目覚め、「栞」として活動を始めて約5年間。小説やブログ、ツイートを発信し続けてきた自分の経験から、上記の答えは長年追い求めて探し続けてきたものであり、ようやく気付くことができた答えだと考えています。

初心を思い返してみると、界隈のツイッターを始めたばかりの頃、世間には自分と同じようにくすぐりが好きな人が沢山存在しているという事実に衝撃を受けました。そして、それまでの人生で誰にも打ち明けることができなかった自分の世界観や、くすぐりに対する想いを発信して、反応し共感してくれる人がいることに興奮を覚えました。

自分自身のフェチに対して、他人の目を気にすること無く堂々と意見を発信することができる環境を、健全と言わずして何と言うのでしょうか。

反対に、「健全ではない」状態とは、世間や他者から抑圧され、自分自身のフェチを誰にも打ち明けることのできない環境であると考えます。

従って、私の考える「健全」とは、くすぐりに限らずとも自分の抱えているフェチについて堂々と発信することができ、受け入れられる環境があることだと思います。

なお、ここで述べている「受け入れられる」とは、その人の発しているフェチや性癖について全て理解して受け入れろという意味ではありません。
くすぐりフェチですら千差万別の趣味嗜好を持っている人が大勢いるので、その全てを受け入れるのは無理です。
ただ、「こういう性癖を持っている人もいるんだな~」っていう感じであるがままに存在を認知することが重要であり、その人のことや性癖を理解するしないはまた別の話になります。

このニュアンスが伝わっているかどうか分かりませんが、話を戻して「受け入れられる環境」とは、各人が自由に自分の性癖について発信することができる言論空間のことを指しています。具体的にはTwitterとか。

なぜ私がそのような考えに至ったのかというと、昔はそういった健全なくすぐり界隈が無かったからです。
厳密に言えばネット上に存在はしていたけども、今ほど活発なものではなく、くすぐりフェチといえばアングラでマイナーなものであると私は認識しています。

つまり、今当たり前のように存在しているくすぐり界隈という環境は、割りと極最近になって徐々に広がりを見せているものだと思います。

そこで、私が知っているくすぐり界隈「以前」の話を踏まえ、改めて過去という側面から「健全とは何か」を考察していきたいと思います。

くすぐり界隈「以前」の話

私がくすぐりフェチに目覚めたのは多分20年前くらい。幼稚園児の頃は当然まだ「くすぐりフェチ」何て言う言葉は知らなかったけど、「くすぐられたい」という気持ちは強く持っていました。

しかし、周りの友達や先生、家族と言った周りの人達に「くすぐりフェチ」であることを打ち明けられるような性格では無かったので、自分の頭の中で空想に耽る日々を過ごしていました。

中学生になった頃、ようやく家でパソコンからインターネットを使えるようになりました。
当時はまだスマホも無くガラケーを使っている時代。
Googleで「くすぐり」と検索して片っ端から調べ尽くしていたのを思い出します。
また、過去noteでも取り上げたサキュバスの巣というサイトの「悪夢のくすぐり合宿」等のくすぐり小説を何度も何度も読み込んでいました。

とはいえ、まだまだ「くすぐりフェチ」というのはアングラ感が強く、ネット上で個人サイトを作って小説を公開したり、掲示板等でひっそりと創作や交流が行われているような界隈でした。

私が高校に入学したくらいの頃から、ようやくスマホを使う人が増えていき、TwitterやLINEが徐々に普及し始めていきました。

そして、あまり正確な時期は覚えていませんが、恐らく2015年前後にアメブロでひめりんごさんの存在を知りました。

くすぐりフェチの人なら多分みんなご存知のひめさん。今では当たり前のように使われている「ぐり」「ぐら」という言葉を発信した凄い人です。

それが何故凄いのかというと、理由は二つあると考えています。

1つ目
それまで漠然としていたくすぐりフェチという概念を「くすぐられるのが好きな人」と「くすぐられるのが好きな人」の二つに明確に区別をして、『ぐりとぐら』の絵本を参考にして「ぐり・ぐら」という親しみやすい言葉で発信したこと。

2つ目
「ぐり」と「ぐら」という言葉を発信したことで、くすぐり界隈という枠組みを作ったこと。

これまでアングラなイメージのあった「くすぐりフェチ」を、ひめりんごさんが「ぐり」と「ぐら」という言葉を発信することによって、くすぐり界隈というジャンルが確立し、大きなコミュニティへと広がっていったのではないだろうか。

その後はスマートフォンの普及やSNS、pixivといった小説投稿サイトの発達も相まって急速にくすぐり界隈が大きくなっていったと考えられる。

意を決して、私がくすぐり界隈のツイッターを始めたのが2018年の2月。ようやくこれまで誰にも打ち明けられなかったくすぐりフェチについて発信し、くすぐり界隈の中で同じフェチの人と交流することができる喜びはとても大きなものでした。

この歓喜とも言える感情は、今の10代や20代の学生_物心付いた時からスマホやツイッターに触れており、既にくすぐり界隈が存在していた_世代には多分伝わらないと思う。

私が子供の頃は、くすぐりフェチを打ち明けたくても気楽に発信できるツールやプラットフォームが無かったわけで、今こうしてnoteを書いたり、Twitterで呟いたり、小説を書いて発信することができる環境があることは改めて凄く幸せなものであると思います。

以上の経験から、くすぐり界隈における健全とは、
自分の性癖について安心して自由に発信、あるいは交流することができる環境であると私は考えています。

健全な人とは何か

これまでくすぐり界隈における「健全」とは何かについて考察してきましたが、では具体的にくすぐり界隈の中で「健全な人」とは何を指すのだろうか。
最後に少しだけ考察していきたいと思います。

まず初めに、これはくすぐり界隈関係なくこれからの社会において情報を発信する力が大きく求められると考えています。
また、当たり前かもしれませんが情報は発信されることで初めて意味を持ちます。
そして、情報を一番初めに発信することが重要です。

くすぐり界隈の中でも、これを理解している人とそうでない人でもう既に大きな差が出ているように思います。

ここまでを踏まえて、くすぐり界隈における「健全な人」とは「ユーザーの利益になる情報や思想、創作物を社会に発信することができる人」だと考えます。

もちろん、くすぐり界隈のツイッターで言うと人それぞれ目的は異なると思います。
例えば、鍵アカで実際に会った人や仲の良い人との交流を目的にしている人も存在していますし、そういう使い方も良いと思います。

しかし、実際に情報を発信する人に人は集まります
度々名前を出して恐縮ですが、ひめりんごさんが何故有名なのかというと、「ぐり」と「ぐら」という言葉を一番初めに発信したからです。

ではこれから健全なくすぐりの情報を発信していくためにはどうすれば良いのか。
「ぐり」「ぐら」のような概念を発信して有名になることは中々難しいと思いますが、自分の得意分野を活かして発信することは誰でもできると考えています。

例えば、
・小説、イラスト、3Dなどのくすぐり創作
・youtube等動画制作
・ブログを書く
・オフ会を開く
・人をくすぐる仕事をする
…etc

いやいや、自分には難しい!そんなのできない!
という人もいると思います。

それでも、くすぐり界隈にいる人であれば人それぞれ自分の好きな性癖等、何かしら趣味嗜好はあるはずです。それを140文字以内でツイートしてみるだけでも世界は変わると思います。もしかしたら同じような考えを持っている人や、賛同する人が現れるかもしれません。

くすぐり界隈の中でくすぐりについて発信することほど、健全なものは他にありません。

「健全な人」が増えていくことで、くすぐり界隈そのものが進化して発展していくのではないか、と私は考えています。

おわりに

くすぐり界隈のツイッターを始めてから、今日まで活動を続けてこれたのは、堂々と情報を発信することができるという環境があり、そんな私を受け入れてくれる人達のおかげであり、改めて感謝申し上げます。

これまで小説やブログ、ツイート等様々な活動をしてきましたが、より一層「界隈で一番健全」になれるよう精進していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

サポートして頂けるとめちゃくちゃうれちいです!\(^o^)/生活費や書籍代に使わせて頂きます!