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1つ歳をとりました。

7月22日、また1つ歳をとりました。
誕生日の当日は『汐音生誕祭2023』と銘打って、自分を主役にした撮影会を開きいつも遊びに来てくれるメンバーとアトリエSHIONEを支えてくれるスタッフに囲まれてお誕生日を祝っていただきました。

43歳になりました。

誕生日の記念に肖像画風に撮影していただきました

毎年誕生日には自分の1年を振り返るのですが、42歳の1年はとても悩み、苦しみ、もがき、考えた1年だったのではないかと思います。
「真面目に取り組まなくては」「がんばらなくては」「しっかりしなければ」っとひたすら自分にプレッシャーをかけてきました。
そうする必要があったし、自分で事業を立ち上げてフリーランスになって3年目はやはり色々な壁が立ちはだかります。そんな3年目のぐるぐると世の中が疫病の渦から少しずつ立ち上がっていくぐるぐると、とにかくたくさんたくさん考えた。

私は人生で真面目に生きるということをそれまでしたことがなかったのかもしれません。なので42歳の1年間は「真面目に取り組む」に挑戦していたのだと思います。その取り組みから得たことは良かったことの方が多いのですが

ただ1つ、失ってしまったことがあります。

私が楽しむキモチ

私が楽しむこと。私が楽しいこと。
それを完全に置いてきてしまいました。

ご陽気で、派手好きで、楽しいことしか考えたくなくて、みんなで笑っていられればそれでいいと思っていた本来の私を置いてきてしまった。

つくづく、不器用で極端な性格だなっと思います。
0か100しか考えられない性分なのです。

私が事業主としてこれからも進んでいくためには自分を律して厳しく物事を考える姿勢は大切です。今後もそこを疎かにすることはない。
でも、私が楽しむ気持ちを失ってしまったらこの事業は根本を失ってしまって立ち行かなくなってしまいます。

私が楽しいと思うことを皆様にも体験してもらいたい

ヒストリカルコスチュームを通して歴史を旅しながら、どんな年齢の方でも楽しんで欲しいという思いで始めた事業で私が楽しめなくなったらお終いです。
私自身がここ半年くらい何をしたら自分が楽しいのか、完全に見失っていました。

それともう1つ。
写真に写ることが怖かった。

これもまた、結構な深刻な問題でした。
そもそもアトリエSHIONEのコンセプトやポリシーともそぐわないし…私が写真嫌いになってどうするよ…っと思う反面、真面目にやるからには裏方に徹するべき!というキモチと、正直裏方が楽しすぎて私が表に出る必要なんてないんじゃないか?と思えてきてしまったのです。わざわざ私が衣装を着て撮影する意味なんてないと。自分で自分を追い込んでしまった挙句、泣くほど衣装を着るのが嫌になってしまいました。

こりゃ深刻だ

もう、私は衣装を着て人前に出ることはないかな?と諦め始めていました。すごく寂しかった。衣装を作ってそれを着て世界中を旅することは私の全てだったから。自分では着たいキモチがあるのに、どうしても衣装に袖を通して写真に収まることが怖かった。その怖い気持ちが自分でどうにもならなかった。

今回生誕祭を自分で企画したのは最後のかけでした。
企画を立てた段階では参加してくれるメンバーに「もしかしたら私は当日衣装を着ることができないかもしれない。これは私の気持ちの問題でどうにもならないかもしれない。その時はみんなが衣装を着ている姿を楽しく写真に収めさせてください」とお願いしていました。

アトリエSHIONEのお客様には色々な方がいらっしゃいます。
中には10年以上前から私が以前書いていた宝塚に関するブログを熱心に読んでくださっていた方、私が衣装を着てヴェルサイユやヴェネツィアを楽しんでいる姿に憧れて来てくださった方、私のことなんぞ知らずインスタグラムに上がるドレスの数々に惹かれて来てくださる方、いろいろです。

「堂々とドレスを着こなす汐音さんの姿に憧れて参加を決めました」

と、あるゲストの方からメッセージをいただきました。

私は綺麗じゃない。サイズだって日本人にしてはかなり大きい。年齢も若くない。私の中のアーティストな私に言わせれば「私の作る作品を着るのに自分が一番ふさわしくない」とすら思っていました。
自分を卑下するつもりはないけど、自分が衣装を着る事が害のような気がしてた。

原因はこの3年間で色々あったのですが、追い込まれてた。
自分自身に。

でも、そんなぐちゃぐちゃしたキモチでお客様にドレス着せるって失礼じゃない?自分が嫌なことをお客様にしてもらって代金をいただくって何?

世界に1人でも私のドレス姿見て「この人楽しそう」とか「この人みたいにドレス着てみたい」と思ってくれる方がいるんなら、私は衣装を着るべき‼︎

そう振り切れたのは誕生日の10日前でした。
ちょうど生地屋さんから新色のサンプルが来ていたので、その中から自分が大好きな色を選びました。ここ最近作っていた衣装たちとはちがう

自分のためだけのドレス

そんな色ヒストリカルコスチュームじゃないとか、下品だとか、そんなのどうでもよくて自分が着たくなるような私のドレス

私はデザイン画を描かないのでその場その場の思いつきで1週間かけて製作したドレス。

シャンブレー織という縦横の色が違う糸で織った生地なので、布を切る方向や角度によって色がタマムシのように変わる美しい生地の特徴を最大限に活かせるように製作。当日撮影をお願いしていたYAS.氏は暗い撮影が得意なカメラマンで、彼の作る光の中で映えるように、せめてドレスはその光の中で活きるように、仕立てました。

久しぶりにガッツリとした撮影、緊張しました。
表情を作ることも、表情と作ろうとすることもできなかった。
でも、そんな被写体の私でもYAS.氏の腕前で鳥肌の立つような素敵な作品をたくさん撮影してくれました

いつものアトリエSHIONEとはちょっと違った雰囲気の写真。
撮影していてもとても楽しかった。
協力してくれた皆さん、本当にありがとう‼︎

こんな楽しそうな誕生日、世界で私しか迎えられないよ‼︎
当日遊んでくださったみなさんのおかげです。感謝‼︎

43歳は、ひたすらに私が楽しいと思うことをしていこうと思います

ローズ・ベルタンときどき、アントワネット☆
ストイックに、でもパーっと楽しく
みんなで笑ってこの1年を過ごせますように。

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