【ネタバレあり】アニメ感想『新世界より』

『新世界より』のアニメ版観た。

いつもすすめられて、いつも初見殺しされていたが、今回は1話から25話まで漏れなく観た。最初にこのアニメを観た時、殺戮のシーンがあまりにも残酷なのでやめた記憶がある。人間の血が火山噴火みたいに…な。

率直に感想を言うと、超能力者(呪力を持つ人間)って怖いね。正直神栖66町の人々に同情しない。彼らの先祖に当たる人物が暗黒時代を作ったあげく、呪力を持っていない人間を変異させ、奴隷扱いするようにしたからだ。

このアニメを観るとき、しばしば不快感に襲われる。それは、呪力を持つ人間は、好き勝手に自然を弄ぶことだ。木を根っこから抜き出し、巨石を動かせ…ましてや呪力の漏洩による生物の変異…すべて呪力のせいだと言っても過言ではない。

わたしからしてみれば、呪力を持つ人間の方が悪魔に見える。

だが、呪力を持つ人間にとって、話はまた別だ。

死にたいから生まれてきた命などないでしょう。呪力を持つ人間も死を恐れている。だから倫理委員会・教育委員会を設立し、悪鬼・業魔から自分の身を守ろうとした。

呪力を持つ人間にとって、自分はなにも悪いことしてないのに、なぜ死ななければならないのか?瞬も同じ、自分が業魔になっていることを自覚しているのに、「死にたくない」のだ。

「あなたの生はみんなに迷惑かけるから死んでくれ」と言われたから「はい」と納得して死んでいく人さすがにまれだと思う。

「みんなに迷惑かけます?わかりました、ではみんなの元から離れます。」っていいながら去っていく方さえ億劫だと思う。

町に処分されそうな真理亜と守は去っていたけど、結局報われなかった。

たぶん、この作品は人間の矛盾を描く作品だと思う。「間違いかも」と知りながら、抜け出せない日々を繰り返している。

結局、新世界はいつ訪れるか、誰にもわからない。


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