ウマ娘 ROAD TO THE TOP 最終話視聴直後感想

お久しぶりです、しおんです。
今年4月16日から、毎週日曜4話限定で配信されているアニメ『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』の最終話がたった今配信されました。あまりにも感動したので感想を投稿しようと思います。

ひとことで言って、最高。
刺さりまくりました。やはりやばいですね……。画面からこちらへ訴えかけてくる力がここまで強いアニメはそうそうない気がします。毎話泣かされました。ともすると早口になってしまいそうな気持ちを抑えて、この作品の強いパワーというか質量というか、そういうものを生み出す要因はなんなのか、とくに心を打たれた点を取り急ぎ3点挙げてみます。

「自分らしく生きる」という一貫したテーマと、それを支える3つの個性

 このアニメをひとことで言い表すなら、「ナリタトップロードとアドマイヤベガが、それぞれ周囲の支え及び自己との対話を通して自分らしさを手に入れたことで、これからの競走人生に自信を見出す物語」といえるだろう。繊細な面もありながら芯の強い皐月賞ウマ娘テイエムオペラオー、出生時に双子の妹が犠牲になったという事実を消化できず孤独を抱えるダービーウマ娘アドマイヤベガ。そして不器用で自分本位になりきれないことが障害になりながらも、そのひたむきさと純粋さによって最も美しく自己実現を形にしたナリタトップロード。これら3人の描く物語は一見ばらばらのように思われるが、上に挙げた自分らしさの獲得という大きなテーマの中で、実はしっかりとそれぞれの役割を担っているのだ。
 テイエムオペラオーは、1話で一人プレッシャーに苦しむ描写があったものの、それ以降は他の2人に比べると脇役のようなポジションで、人前では余裕のないところを一切見せないウマ娘である。先週3話までの段階では、私は彼女の描写に少しの違和感を抱いていた。1話での繊細な一面が2話以降影を潜めて、せっかくの伏線がなかったかのようにされている気がしたからだ。しかし決してそうではないのだと第4話で気付かされた。挫折から立ち直ったものの、自分の戦略に迷いのあるナリタトップロードにテイエムオペラオーが話しかけたシーンで、彼女の不屈の精神の奥行きがうかがえる。彼女には自分の進むべき覇王道が見えているから、迷いはない、とオペラオーは啖呵をきる。彼女は自分らしさを既に手に入れていた。だから1話のような過酷なローテーションでも、ハードな練習でも、押しつぶされそうな不安があっても、そこに意味を見出せる。彼女は常に自分本位だ。自分のやりたいこと、目指したいことに素直で、貪欲だ。そのことが彼女の自我を確立させ、精神を強くしているのだと気付かされた。そしてナリタトップロードも、彼女から自分らしさの実現という課題を得て、成長していく。みんなの応援に合わせるのではなく、自分主体で、ありのままで、皆に自身を認めさせるというパラダイムシフトが具現化された瞬間だ。このようにテイエムオペラオーは、このストーリーのメインテーマたる自分らしさを最も分かりやすい形で具体化するプロトタイプ的な役割を担っていると言えよう。彼女がいることで、4話という短いストーリーのなかにぶれない軸ができ、残り2人の濃密なドラマを描く余裕が生まれている。


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