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早く日常に戻らなきゃ
東京ダービーの観戦をした。
自分の応援しているFC東京は前半「かかって」いて、やることなすこと笑ってしまうくらいいいとこなしで退場者まで出てしまい、とりあえず「9人相手に負けたこともあったし(※)10人で引き分けまで行けたら御の字だろう」とヘラヘラしていた。あまりに現実が酷すぎると達観モードに入って心を守るのはスポーツ観戦に必須のスキルである。
後半68分、途中交代の遠藤渓太がゴール。ここからズタボロながらも相手の喉笛に喰らい付こうと更に猛攻を仕掛ける。
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猛攻を仕掛けるもゴールが生まれず、じれたアウェイゴール裏が狂いきっていて選手もそれに釣られて盛り上がっていたその時、FKのチャンスに原川力が交代で投入。ボールの感覚をなじませるためにリフティングを続けていたその姿に逆の狂気を覚えた。轟々と響く声の中でできることとは思えなかったからだ。ゴールにならなかったシーンなのにわざわざこれを書いたのは単に私の心が震えたからである。
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その後あれやこれやで遠藤渓太が2点目を決めて試合は終了。首の皮一枚で勝ち点1を奪い取った試合だった。私はその時気分が優れずATの少し前くらいからコンコースで涼んでいて、戻ろうとしたらゴールをしてくれていた。なので、あれやこれやを肉眼ではなく売店のビジョンでゴールを見た。巡り合わせが悪い。
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東京ダービーというものはどうしても過去の積み重ねのせいで妙な試合になりがちで、この日もそうだったように思える。正直なところ、しがらみとかがもうだるいのと、良くも悪くも全世界にスタジアムの中が開陳されている世の中なので、対戦相手を口汚く煽るよりも普段の数倍声を出して徹底的に相手を無視してチームを応援し続ける方がスマートなのではなかろうかと思う。今の世の中(2024年)で煽りという行為をショーパフォーマンスとして昇華するのは相当な高い知性から生み出されたものしか認められない風潮になっている感がある。(風潮に関しては完全に私の主観である)単純な煽りのつもりで緑色の旗にバツ印を着けたところで、それは侮辱であって自分がやられたら烈火の如く怒るじゃないかと。
「いつもあの人たち大量にご飯ばっかり食べてて負けてもブーイングしないのにダービーの日だけマジなんですけど」と、いうパブリックイメージになった方が対戦相手の驚異になるのではなかろうか。
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オタクとはこうやって勝手に行間を作ってドラマを作り出す
相手あってのスポーツ、安全あっての興行なので、仲良く喧嘩して「マジ」を楽しみたいのである。大切な試合なのだから外野が試合の価値を毀損するのはつまらないのだから。
遠藤投入からのダービーを流しながらこれを書いているのだが、実況の下田恒幸さんが寺山翼を俵積田晃太と間違えて実況していた。東京ダービーはやはり妙な雰囲気が生まれていたようだ。
私の東京ダービーの時間は2008年(※※)で止まったままなので、願わくば今年私の時間を動かして欲しいのだ。
白井康介のガッツがなければこの勝ち点はなかったと思っている。あの小柄な体から生まれた爆発的なダッシュに元気をもらった気がしたので、この気持ちを吐き出して明日の日常を迎えることにする。
(※)https://www.fctokyo.co.jp/game/2012042801
(※※)https://www.fctokyo.co.jp/game/2008082303
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