EGPA闘病の記録③/入院後〜治療開始

病室に空きが出て入院する事ができた。
これですぐ治療を開始してもらえる。
これ以上、紫斑が広がる事は無くなる。良かった。
私はそう考えていたが、実際には治療開始するまでに時間がかかった。
医師の話によると血管炎には色々な種類があり、様々な検査をした結果で種類を特定し、それに応じた治療をする必要があるそうだ。
私の場合は紫斑の進行速度が早かったため、検査の結果と今までの病歴などから一番可能性が高いEGPA疑いという事で、確定はできていないがEGPAと仮定し、先行して治療を開始するという事になった。ただ、担当医だけでは開始できず、教授(責任者)への説明と許可が必要との事だった。
幸い、入院した日の翌日に教授の回診があり治療開始の許可を頂け、その後すぐにステロイドパルスの治療を受ける事ができた。

以下、当時の流れとなる。
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10/10(火)。病室へ運ばれた。私はベッドから動けない状態になっていた。両足の膝から下は皮膚科の処置により包帯で巻かれていた。この頃には膝より少し上にまで紫斑が広がって来ていた。左手は薬指と小指に力が入らない。右手はまだ無事だったと思う。入院準備はしてきていたが、ペットボトルの蓋が開けられない。主人に病院内のコンビニでストロー付きのペットボトル用キャップを買って来てもらった。動けない私の代わりに看護師さんが荷物を確認し、収納してくれた。寝巻きやタオルをレンタルできるとの事だったので、お願いした。主人は仕事があり平日の面会時間内に来る事ができないので、衣服の洗濯や交換が難しいと思ったからだ。(院内にコインランドリーがあったので実は洗濯は問題無かった。ただ、私の場合は紫斑の水疱を割った滲出液がかなり出たので私服が汚れずに済んだ)
私は発熱と寒気があったのだが、薬剤性の可能性も捨てきれないとの事で解熱剤は処方されず、アイスノンを使用しながらベットで待機することになった。大きめの心電図モニターに繋がれている。
その後は主人に連絡したり、入院した事と入院期間(入院計画書には1ヶ月程度とあった)を職場の上司に連絡したりしていた。この時は左手に力が入りにくかったがスマホを持つことができた。右手も動かせる状態にあった。
しばらくして、看護師さんが私を処置室へ運んだ。喘息の発作が出ているのか、酸素濃度が低下しており酸素投入が必要になったようだ。鼻にチューブのようなものを付け、酸素を1〜3ℓ、状態に応じて投入して下さった。21時頃には紫斑が太ももに全体に広がっていた。太ももの裏側には紫斑の水疱が多数できている。右手と左手の肘から下にも紫斑がでてきた。最初は蕁麻疹のように皮膚が浮き上がり、そこから赤みが増して紫色へ変色していく。蕁麻疹のような状態の時、その部分は熱を帯びているように感じた。朝の時点では腕は無事だったのに、夜には肘、さらに二の腕まで来ている。特に左が早い。このままではいずれ手足だけではなく体まで到達してしまう。体まで到達したら内臓も危ないのでは無いか。早く治療を開始して進行を止めて欲しい。内臓がやられるのは怖い。また、左手が動かなくなってきている事にも気がついた。右手が動かせるうちに上司へ手が動かなくなりそうでありメールでの連絡が難しくなるかもしれない旨をメールした。効果があるかどうかは分からないが、熱を帯びているところに、アイスノンを当てるようにした。特に右手は利き手のため動かせなくなると困るので、右手を重点的に冷やしておいた。
時々、医師たちが様子を確認しにきてくれた。治療はまだ開始されないようだ。

10/11(水)。午前。両足の太ももから下はほぼ全て紫斑で埋め尽くされている。左ももと右ももの後ろ側には紫斑による水疱が多数。左腕は肩から手にかけて紫斑で埋め尽くされている。右腕は左腕よりは正常な皮膚が見えているものの、こちらも肩まで紫斑が広がってきている。太ももの付け根から下腹部にかけて薄く赤い発疹ができつつある。これ以上は体にまで影響が出る。左手に力が入らずスマホを持つ事ができない。右手の力も落ちつつある。そんな状態だったが、ここで教授(責任者)の回診があった。私は自分の病歴、喘息から慢性副鼻腔炎になり、病理検査で好酸球の値が高めだったことを伝えた。また、私のスマホに保存していた紫斑の写真を教授に見てもらい、紫斑の進行が早い旨を伝えた。教授も事前に担当医から説明を受けていたと思うが、私も体にまで進行されるのは怖かったため、進行が早すぎて困っている旨を訴えた。教授は治療開始しましょう、と私に仰ってくださった。1名の医師が私に対してステロイドパルスという治療を行う旨を説明してくださった。点滴による治療なのだが、私の腕が紫斑に覆われている部分が多く、点滴のルートが取りにくい状態となっていた。もう1名の医師がエコー機器を持ってきて、エコーの画像を見ながら、右腕の紫斑が薄いところを狙って点滴のルートを通して下さった。(最初は紫斑が多すぎて腕からルートが取れないため、首からルートを取る案が出た。ただ、私が怯えたため、1回は腕で挑戦してみようとご提案頂いたのだ。首は流石に怖かったので大変ありがたかったのである)
その後、ステロイドパルスを点滴にて投与して頂いた。いつ紫斑の進行が止まったのかは定かではないが、とにかくこの治療により紫斑の進行はついに止まったのである。

この時点での私の状態は下記の通り。
左足:  太ももから足の甲まで紫斑。左足首以下は感覚なし。動かない。膝下あたりから痺れがある。

右足:  太ももから足の甲まで紫斑。右足の指先は感覚があるが、動かしづらい。(指の関節が曲げられない)膝下から下に痺れがある。

左手:  肩から手首までと手の甲に紫斑。左手小指の感覚は無いが、動かせはする。薬指が動かしづらく、痺れがある。全体的に手に力が入らない。(腕は動く)

右手:  肩から手首までと手の甲に紫斑。左手小指、薬指が動かしづらく、痺れがある。全体的に手に力が入らないが、左手よりは力が入る。(腕は動く)

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