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『可愛くない』の烙印

どうしても抜けない毒があるから、ここでデトックスしようと思う。私以外には取るに足らない話だけれども、そんなことは気にしない。

私は、概念として『ブス』であることは確かだ。(作家の山崎ナオコーラさんは『ブスの自信の持ち方』というネット連載をまとめたエッセイを出されている。それはタイトルこそセンシティブなのだけれども、そこで指す「ブス」はフラットなニュアンスで使われている。内容としては容姿で判断する世の中が変わっていったら良いし、変わるべきだっていう主張で素晴らしい。もっともタイトルがネガティブな印象を与えるし人に紹介しづらいという点が何とも言えないのだが。)

一緒に居て友達だけ執拗にされるナンパ、意図的に私のことを無視して交わされる「かわいい」の応酬……。そんなものは正直トゲにも何にもなっていない。

ただ一つ、ひっかかっているのは、あるセミナーを運営している男の人の態度だ。
これは別に悪いと言っているわけでもないし、私がその立場だったらそうしてたかもしれない。善意でやっていることだから、その人にも楽しむ要素はあるべきだし。ただ、やっぱり、心の中のモヤモヤが数年経っても取れないから書き記しておく。

モヤモヤしているのは、ある就活のセミナーをやっている集団の主宰についてである。
マスコミ就活本を出版したコンサル業とライター業を兼務している男性(以後Aさん)とキー局テレビのディレクター(に加えそこの卒業生などが主宰)が行うセミナーで、マスコミについての斬新な切り口で行うそれはかなりの人気を博しており、その実績も素晴らしいものである。
Aさんは非常に話術に長けていて、とても面白い講義を行う人だ。戦略的なアプローチが上手く、感嘆の嵐だった。(ディレクターの方の講義も論理的で非常に面白かった。)
講義自体は本当に素晴らしくて、マスコミ関係に興味のある方は、受講してみると良いと思う。

私がモヤモヤしてるのは、そのAさんの容姿による区別がひどいことだ。(断じて差別ではない。講義の席でないし、金銭が発生していないため、区別である。)

ある講義終了後の飲み会では、『女子アナ希望の子、こっちに集合してーーー』と"綺麗"な女の子を侍らせていた。飲み会に話すことに金銭は生じていないし、それで良いと思った。

それで良い。ただ、露骨にそれを出されると、悲しくなることもある。
それは別のセミナーのことである。
私がその時参加したセミナーは、グループディスカッションの少人数のレッスンであった。
講義やアプローチの指導もやはり素晴らしいものだった。
ものだったのだが、しかし、凹んだのはそのあとである。
セミナーが終わって、ディレクターの男性が、その後飲みに行きますか?みたいな会話をした際

「"今日は“(飲み会をしなくて)良いかな」

と言ったのである。その時のセミナーは、選考の早いテレビ局の選考が過ぎた時期に行われていて、殆どが男性、参加した女性は私含め3人で、その3人ともどちらかと言えば地味で物静かなタイプだったのである。

飲み会は講義の場でない。そこに金銭は生じない。だからAさんの損得勘定を考えれば至極真っ当な判断だったと思う。ただ、彼が参加メンバーをさりげなく見回して言った「今日は」の言葉は、今もトゲとして刺さっている。彼は悪くない。私が拗らせているだけなんだけれど。

小さなそういう区別が心にずんとくることもある。
自分が強くならなくてはなるまい。

……そんな小さなトゲも未だ抜けきれない私は弱い。
それゆえ、今日もふとした時こんな小さなことに落ち込む自分のことを好きになる努力はしなきゃなと思う。

はぁーーー、自尊心鍛えたい。
ずっと気になっていた、『美容は自尊心の筋トレ』でも買って勉強しようかな……。
誰に会っても笑えるように。

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