「明日にはこの世界が終わるなんて、信じられないね」 彼女は言った。 SF小説みたいなセリフに、思わず笑いそうになる。 「終わるんだからしょうがないだろ」 俺は苦笑しながら言った。 「ところで、なにする?」 彼女は問いかけてきた。 「知らない」 そう言って思考を投げだそうとしたが、できなかった。 考えることをやめてしまえば、本当に世界がここで終わってしまう気がしたからだ。 「じゃあ私が決める」 そう言っていつもどおりのいたずらっぽい笑みを浮かべた彼女。