「矛盾」に、にやにやする
矛盾とは、なんでも突き通す最強の矛となんにも通さない最強の盾の両方が存在することはない!ということ。紀元前の韓非という中国の思想家が言った言葉を熟語にしたもので、今は話の辻褄あってなくない?ってときに使うんだって。
矛と盾ほど厳密かは分からないけれど、世の中に矛盾がよくあると思う。どっちが正解でどっちかが間違いではなく、どちらも正解だけれど、共存は難しい…?という感じ。ちょっぴりもやもやしていた。
「多様性は素晴らしい。なのにどうして多様性を受け入れないんだ!」という人。
「ミニマリストになるために、新しくミニマリストグッズを買った。」という人。
「怒りたくて怒っているんじゃない。」という人。
「そうやって小言ばかり言うから…これも…あれも…」という人。
「時間厳守」と言いながら既に会議の終了時間が過ぎている人。
「ちゃんと断れるようになろう。」という人がいれば、「若いうちはなんでもやろう。」という人がいる。
「若いうちはがんばりどき。少し無理するくらいがんばろう。」という人がいれば、「自分の心と体の健康が一番。がんばりすぎは良くない。」という人もいる。
「人と比べるな。」という人がいれば、「トップを目指せ。」という人もいる。
「失敗は何回したっていい。」という人がいれば、「失敗は一度で学べ。」という人もいる。
「長いものには巻かれろ」という言葉があれば、「独立独歩」という言葉もある。
「鶏口となるも牛後となるなかれ」という言葉があれば、「寄らば大樹の陰」」という言葉もある。
「諦めが肝心」という言葉があれば、「不撓不屈」という言葉もある。
「終わりよければすべてよし」という言葉があれば、「始まりが肝心」という言葉もある。
きっとどれも正解で、TPOで変わるんだと思う。入学式には、始まりが肝心だと言って、卒業式では終わりよければすべてよしと言う。でもそれは、そのときには確かにそうだと思うし、そんな矛盾に励まされたり、後押しされたりする。
でもなんでだよ。と思うことだってある。この前言ってたことと違うじゃん、この前はよくて今は違うの、誰かはよくて自分はだめなの、なーんてこともある。立場が変われば、見え方が変わることもあるだろうし、経験で違うこともあるだろうし、、、そんなことを考えつつも、もやもやしちゃってた。
でも最近は、そんな矛盾に気づくとにやにやしたくなる。そうやって、食い違っているものが共存しているところが人間らしいと思う。機械はAかBかどちらかを1位にすることはできるけれど、どっちも1位!どっちもOKは難しいと思う。機械、よく知らないけど。
うまく整頓されていなくて、混沌としていて。そういうところが人間臭い。そしてそういうところが好き。「みんな違ってみんないい」という言葉で括ってしまうには、そんなにきれいに見えていなくて申し訳ないんだけれど、そんな気持ち。
「酒を飲んでも酒に飲まれるな。」と言っている人ほど酒にごぼごぼと飲み込まれているように見えるのも。そう言っている人たちを遠くから見ているのは好きです。
サポートしてもらったことないから、してほしいな