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for serendipity743「自分が一つの思想を持っている。」

福岡正信さんの『自然農法 わら一本の革命』(2008)より。→「私は日本中の、どの人にも劣っているけれども、誰も知らない、ただ一つのことを知っている、という確信が、そのときから動かない。それがまちがいではなかろうか、と三十年、四十年、常に確かめながら、考えながら歩んで来たけれども、私は一度だって、それがまちがいだという反発材料を見つけ出せなかった。しかし、私のような愚鈍な男が、かりにその知り得た一事が重大なことで、価値あるものだったとしても、一つの宝石を、その値うちを知らない人間が拾ったようなもので、まさに猫に小判だったとも言えるのではないか、とも思います。自分が一つの思想を持っている。その思想自体には価値があっても、自分に価値があるんじゃないのです。自分はどこまでも愚鈍な百姓であり、猫でしかない。(14p)


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