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for serendipity878「青年の『一人一研究』の展覧会」

昭和初期の青少年教育に多大な影響を与えたという下村湖人の『青年の思索のために【新装版】』(2009 ※初版は昭和30年、新潮社刊)より。

1999年1月、10年お世話になった会社を卒業した僕(塩見直紀)は、2000年4月から「1人研究所」を始めました。その名を「半農半X研究所」といいます。「半農半X(エックス=天職)」というコンセプトを提唱していくなかで、半農半X研究所を続けるなかで思うようになったこと。それは日本のみんな、世界のみんなが自分のテーマ、ライフワーク、ミッションを「○○研究所」の代表として、生涯、探究し、成果を独占するのではなく、シェアし合う社会ができないかということでした。僕はそれを「1人1研究所」と呼び、多様な1人1研究所にあふれる世界ビジョンを「1人1研究所社会」と名づけました。岐阜白川の「和ごころ農園」の伊藤和徳さんがこの『青年の思索のために【新装版】』に「一人一研究」のことが書かれていると教えてくれました。伊藤さん、ありがとうございます!

「1人1研究所社会」へのヒントとして、「一人一研究」について、2か所、以下のことが書かれています。

その頃毎年一回、明治神宮外苑の日本青年館で催されていた。青年の「一人一研究」の展覧会では、青年団の最高表象である発明賞を授与されることになったのでした。(「青年発明家の話」26p)

まず独自性を養うには農村の青年は何をしたらよいかということだが、それには、何といっても『一人一研究』が一番いいと思う。これはずいぶん以前から唱導されてきたことで、一人が何か一つの研究物を持つことだ。自分の職業に即したことであれば何よりも結構であるが、農村の青年だから必ず農業に関係することでなければならないということもないだろう。村全体の将来の進展という立場から考えて、自分の能力にふさわしいことであったら何でもいいと思う。とにかくどの農村青年も何か研究物を持っている、ということが大切だ。(「ある農村青年に与えた話」111~112p)

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