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for serendipity751「『自伝』を書くことの意義」

関口正司さんの『J・S・ミル~自由を探究した思想家』(2023)より。没後、ミルの『自伝』(1873)が公刊。ミルは本の冒頭に『自伝』を書くことの意義の1つとして以下の文を書いている。

「いろいろな考え方が移り変わっていく時代の中で、絶えず前進し、自分で考えたことや他の人々の思想から自分の中に取り入れる(learn)ことも、また、それらについて距離を置いて見直す(unlerarn)ことも、どちらにも同じように前向きに取り組んだ精神が、どのような段階を次々に進んでいったかを記しておくのは、多少は興味を持ってもらえるだろうし有益でもある、と私には思えたのである。(48‐49p)

自伝といえば、ロラン・バルトの研究者である石川美子さんの『自伝の時間~ひとはなぜ自伝を書くのか』(1997)を以前拝読したことがあります。ミルの『自伝』に出会い、『自伝の時間』を再読したいという気持ちが起きました。そして、いま読みたいと思っている自伝は『エリック・ホッファー自伝』です。「ひとはなぜ自伝を書くのか」、おもしろいテーマですね。

2023年3月に出た拙著『塩見直紀の京都発コンセプト88~半農半Xから1人1研究所まで』(京都新聞出版センター)はコンセプト創造の観点からミニ自伝かも。


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