140字虚構文庫解説

「架空小説の文庫解説」というコンテストがTwitterで開催されました。時空モノガタリさんのTwitterアカウントです。

私のエントリー作は全敗したのですが、ここにまとめておきます。

#虚構文庫解説 ←このタグをつけて2000字程度のフィクション文庫解説を書いているので、よかったらクリックしてください🐰


001

「ダダンゲダダンゲダガダガプンポ」おそらく読者の八割が今夜寝る前そう唱えるだろう。あなたにはどんな夢が訪れるだろうか。
眠りの伝道師と呼ばれた奇跡の子守唄歌手ママノンが歌ではなく文字で読者を眠りへと誘う寝落ち必須のファンタジー小説。不眠に悩むあなたを救う一冊。


002

読むべきではない、と忠告しておこう。あなたはもう表紙をめくっただろうか。目次だけなら引き返したほうがいい。序文であればまだ大丈夫だ。本文を目にしたのなら――この紹介文の意味はもう分かっているはずだ。あなたと本書のこれからの日々に、幸あらんことを。


003

初のAI搭載本として注目を集めている本書は、あなた史上最も濃密な恋愛体験となるだろう。読者の視線、表情、体温、発汗などをもとに再構成される文字列、専用イヤホンから流れる吐息。誰もが本を閉じることができなくなる。現実よりもリアルな、文字とあなたが紡ぐ恋愛小説。


004

小説投稿サイト『小説家なんだろう』発の話題作。いわゆる「なんだろう小説」とは一線を画し、緻密な取材をもとに書かれた本作は著者の実体験なのではと噂されている(本人は否定している)。もし、目覚めたとき✕✕になっていたら――。リアルな描写に悶絶必至の問題作。【R18】


005

奇妙な怪奇小説を書く作家がいるという噂は知っていたが、怪奇小説が奇妙なのは当たり前と思っていた。知人から本書を勧められ、可もなく不可もなくという印象で読み終えたのだが、ふと奇妙な事に気づいた。内容どころか、本書を勧めた知人が誰だったのかさえ覚えていないのである


006

2/14に本を交換する風習は2020年代から始まったとされている。その風習が全国に広まる契機となったのが本書『祝』である。主人公は恋人に本を贈り、ある願いを叶えた。読者がそれを真似て一大ブームとなった。幻の恋物語、千年越しの超訳。⚠️『呪』と二冊同時購入の場合は要誓約書


007

『万華鏡』はタイトル通り不可思議な小説である。果たして小説なのか、一見すると脈絡のない文章だが確かに物語が立ち上がってくる。物語は読む者によって千差万別。読み返すたび万華鏡の如く違う景色が見える。意味を見出す方が馬鹿か、読み取れない方が馬鹿か。確かめてほしい。


008

鳥取砂丘から約50年前のファンタグレー○が出土した。大規模な発掘が始まると調査員が次々姿を消していく。ラクダに乗って現地に駆けつけた砂場鳥子。すり鉢状の巨大な窪みに落下し、目を覚ますと1973年にタイムスリップしていた。Z世代がアナログ時代で奮闘する爽快青春SF。



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