r>gの話

r > g 

ピケティが「21世紀の資本」の中で示したこの不等式は、全世界の全ての投資家が知っている、この世の中で最も有名な数式の一つだ。

rは資本収益率、gは経済成長率を示している。つまり、この不等式は資本が生み出す年間の平均収益率は、経済の年間成長率より大きい、ということを表している。

もっとわかりやすく言うと、このr>gという事実のせいで資本家の資産はどんどん富んでいき、サラリーマンの年収は毎年少しずつしか成長せず、貧富の格差がこの100年でどんどん拡大していった結果、今の格差社会になっているということである。具体的には、資本収益率は年間約4~5%であるのに対し、経済成長率は約1~2%。毎年3%程の差で格差が広がるということはどういうことか。1.03^100=19.21倍、この100年で資本家階級の人間と労働者階級の人間では20倍近くの格差が広がったということだ。



この不等式を知ると、全ての人間が「俺も資本家階級の人間になりたい…」と思うだろう。こんな数式を見せられたら労働者階級に未来を感じることなどできない。

実際に「資本家階級になる!」と思って行動し、現在実際に資本家としての歩みを始めた人間がここにいる。そう、私のことだ。

本記事では実際に、資本家としての私の収益は現在どういったものになっているのか、そこにいたるまでの労働者階級(資本を持たない段階)での私の収益はどうだったのか、を解説していく。



現在の私の資産構造はこうなっている。(正確な数字を書くのははばかられるので、単純化した数字を用いる)

総資産・・・5億円(内訳・・・収益不動産3億円、販売在庫用資産1億円、株式資産1億円)
借金・・・3億円
純資産・・・2億円
純利益・・・年間3000万円(内訳・・・収益不動産からの純利益1500万、買取再販からの純利益1000万円、株式配当の純利益500万円)

これらの数字を見てわかることは、労働からの収入(買取再販業の収入)が1000万であるのに対し、資本からの収入(家賃と配当金)が2000万円。つまり、既に労働収入よりも資本収入の方が多くなっているということだ。

労働収入というのは限界が存在する。全ての人間には等しく24時間しか与えられておらず、それを超えて労働をすることはできないし、体力の限界もある。ごく一部の医者は弁護士といった人間ならば労働収入だけで億を超える所得を得られるケースもあるが、非常にレアケースである。

ほとんどの人間の労働所得は1000万から2000万くらいが限界値になっていて、それ以上は時間か体力が追い付いてこない。

更に分かることは何か、販売用在庫資産1億から純利益を1000万を稼いでいる、つまり利益率は10%ということだ。一方で収益不動産と株式資産4億円からの純利益は2000万円、つまり利益率は5%。比較すると、利益率が高くなるのは労働収入だ、ということになる。

でも、これは当たり前で、「自分の時間」をたくさん使っているから、その分利益率が高くなるのは当たり前だよね、ということ。逆に言えば、「資本が少ないうちは労働収入を重視するべきだ」ということだ。

仮に1000万円くらいを投資用資産として運用しても、利益率5%だと50万にしかならない。50万では当然生活することはできない。だから、資本家になるにはまず「投資元本」を確保することがスタート、つまり「働いて、種銭を作れ」ということだ。



当然だが、私も最初からこのような資産をもっていたわけではない、2017年に独立してからおよそ6年。「資本家になる!」という目標を念頭に置き、努力をしてきた結果だ。

具体的な資産の変遷は以下のようになる。

2017年
・自己資金3000万円で独立(自分の貯金1000万、親からの借り入れ2000万)
・銀行で独立時に3000万円を借り入れる
・不動産業スタートダッシュ成功、純利益1000万円
・総資産7000万、借入5000万、純資産2000万円

2018年
・地方銀行、政策金融公庫などで借入4000万円を実行
・株式投資でバチクソ当たる、純利益4000万円
・初めて収益物件を購入する、借入6000万円、家賃年額1080万円
・不動産業クソサボル、不動産投資の分とあわせて純利益ほぼナシ
総資産2億1000万円、借入1億5000万円、純資産6000万円

2019年
・コロナ融資などで3000万円借り入れを実行、親からの借り入れを返済し、その分を銀行で借りる(2000万円)
・株式投資でプチ当たる、純利益2000万円
・不動産業そこそこ好調、純利益500万
・不動産投資からの純利益500万円
・総資産2億7000万円、借入1億8000万円、純資産9000万円

2020年
・不動産業がかなり忙しかった年、また株式のデイトレードをやらなくなり、オールカントリー投資信託への積み立てを主とするようになった。
・不動産業からの純利益1300万円
・不動産投資からの純利益500万円
・株式投資からの純利益200万円
・総資産2億9000万円、借入1億8000万円、純資産1億1000万円

2021年
・収益不動産を買いまくった年、また戸建て賃貸をスタートしたのも20~21年にかけてから、家賃収入が膨れ上がる
・不動産業からの純利益1000万円
・収益物件の購入で1億2000万円の借り入れをする、不動産投資からの純利益1500万円
・株式配当からの純利益500万円
・総資産4億4000万、借入3億円、純資産1億4000万円

2022年
・前年と同様程度の数字
・不動産業からの純利益1000万円
・不動産投資からの純利益1500万円
・株式配当からの純利益500万円
・遺産相続発生3000万円
・総資産5億円、借入3億円、純資産2億円



純利益を各項目ごとに整理すると、
不動産業からの純利益・・・4800万円
不動産投資からの純利益・・・4000万円
株式配当からの純利益・・・1200万円
株式のトレードによる純利益・・・6000万円
当初自己資金・・・1000万円
遺産相続関連・・・3000万円
累計・・・2億円
となる。

このように時系列順に自分の資産の変遷を書き出すと、
「不動産業(買取再販)で稼いだ金額は実はそこまで多くないんだな…」
「独立初期の株式トレードの成功(たまたまw)による現金の大幅増加が、手厚い手持ち現金による経営の安定化を実現し、借入のハードルも下げていたな」
「これからは労働収入(買取再販)を頑張るよりも、資本収入(不動産投資と株式配当)の利回りを向上させていくほうが、自分の収入は増えそうだな」
などといったことが分かる。



このように、「初期の段階では労働収入(私の場合だと株式の売買益が大いに寄与)を増やすことに注力する」のが正義で、その後は「稼いだお金をそれ自体がお金を生み出す資本に変えていく」ことで、加速度的に純利益(資本)は成長していく。

これからの私のステージは不動産業(買取再販)をもっともっと頑張るよりも、資本所得の厚みを増していくことの方が合理的である。だが、それだとクソ程ヒマな人生を送ることになってしまうので、社会的な意義のあるビジネスモデルでもある買取再販を引き続き頑張っていきたい(笑)

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