塵と光民

あなたのために重くしたまつげが、どうしてこうもわたしの目元に濃く黒を落とすのか。あなたが一等星であることには、わたしが一等星であるはずがない。それに気づくことがおそろしいと思っていたら、何光年も経ってしまった。この一夜は、あたたかく私を包み込んでは、しあわせそうな顔をする。その丸こい指先で、感情の輪郭をつくるにはあまりにも嫋やかで。あなたの恋人に生まれ変わるには、前世での善行が足りなかったみたいだ。わたしのこころのささくれは、こどもの頃によく描いた5つのとんがりのように、煌めいてはいられないから。あの流れ星へ向けて。あなたとあの子との未来が、なくなりますように。

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