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「大人」になった 中村あゆみ

ビルボード横浜に、中村あゆみのライブを見に行く。
観たいと思いながらなかなか機会がなかった彼女のライブは初めてだ。

ずっと「翼の折れたエンジェル」に代表される、「元気なロック少女」のイメージがあった。だが披露されたのは「ゴッドファーザーのテーマ」「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」「ムーン・リバー」「ラスト・ワルツ」「スゥイングしなけりゃ意味がない」「ウィズアウト・ユー」など、ジャズにロック、ムード音楽と幅広く、その表現力の豊かさに驚いた。
個性的なハスキーボイスに、人生を重ねた魅力が加わったように思う。

最初に彼女を知ったのは40年近く前、1982年5月のことだった。
私は中学3年生で、修学旅行先の岡山県倉敷市のホテルで見た、朝のローカルテレビ番組のワイドショーで「ミッドナイト・キッズ」を歌っていた。いい曲だなあ、やたら元気そうに歌う子だなあ、でもちょっと背伸びしているかなあ、と今もその映像を鮮明に思い出すことができる。自分と同年代の少女が、朝からロックの生歌、という当時としては珍しいシチュエーションも印象に残っている理由だ。デビュー前のプロモーションだったろうか。

その後「翼の折れたエンジェル」が大ヒット、ザ・ベストテンなど数々の音楽番組で彼女を目にした。そのたびに応援するような気持ちで見ていたのだが、いつの間にか姿を消す。何年かたって、女性週刊誌の「あの人は今」の特集で、結婚、出産、離婚等で歌から離れている様子を読み、残念に思った。再スタートは2度目の離婚をした後の2004年からという。

彼女の大ファンだというプロレスラー、鈴木みのる氏のリング入りのテーマソングとして書いた「風になれ」が、米国のiTuneストアのJポップチャートで先ごろ1位になったほか、世界各国で配信チャート入りしている。「私は東京ドームでライブをしたことがない。でも鈴木くんのリングで歌わせてもらった。彼が私をドームに連れて行ってくれた」と嬉しそうに話していた。

中村あゆみ「風になれ~I have to be a lonely warrior, tonight~」【鈴木みのるテーマ曲】【MV(フル)】 Ayumi Nakamura Kaze Ni Nare - Bing video

//www.youtube.com/watch?v=IsAM7bxKPpY

12月11日には東京で、ママさんシンガーによるライブ「ママホリ」をオーガナイズ、相川七瀬、NOKKO、土屋アンナ、hitomiなどが参加するという豪華版だ。さすが姉御肌、元祖・女性ロッカー、という感じだろうか。

いい年の取り方をしているな、とまた応援したくなった。

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