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永遠の消失

今日は午前中、友人のウスダミホさんのphotographyをみに横浜のギャラリーに行ってきた。途中歩いた坂道には桐が実を付けて突くように天を指していた。

「彼女が見せてくれたアメリカ~その声と歌の秘密」というのがミホさんのテーマで、シアトルのPat Wrightさん、パットとともにいる時間を切り取った写真が並んでいた。

パットの歌は、ミホさんと知り合ってから都度聴く機会を得て、それは私にも常に大きく響くものがあった。

写真は静かにその時の空気感のようなものを伝えてくれる。ある時を切り取るといった一瞬の所作の結果には、その風景といった空間的なものだけでなく、撮り手とその風景のなかに繰り広げられた響き合う時間とともにできあがっていった様々なもの、そして見ている私のような人それぞれのなかにあるものがゆっくりと湧いてくる。それらがきらめきのように訪れる音のない一瞬のなかに在る。

ミホさんに聴かせてもらったパットの歌うアメリカには多分計り知れない大事な時や思いがたくさん詰まっていて、それは圧倒的な力強さで私を掴んでくれた。パットはアメリカに何を思ったのだろうか。

人はやがて消えていく。消失の中にある永遠はどんなふうに現れるのであろう。永遠に消失した存在はどれだけ大きな力を持つのだろう。それは誰の中にもある、計り知れない、かけがえのない美しいものだと思う。

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