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春待ちの2月
お正月が過ぎると
決まってさみしい気持ちになる。
春を待つ空気が街中に溢れていて
私の大好きなseasonは終わっていくなぁと
しんみりした気分になってしまうからだ。
一般的に、春好きな人は多い。生命の息吹を感じられ、麗らかな陽射し、ふんわり優しい風が地上を包み込む季節。
桜にお祭りにハイキングにどんどん出かけたくなる過ごしやすい気候。
春が大好きな人にとっては待ち遠しい季節なのだろう。
春の小川はさらさらいくよ
幼少期〜小学生の頃は春が好きだった。
その頃に住んでいた街の小川に沿って歩きながら童謡「春の小川」を口ずさんでいた。
〝春の小川はさらさらいくよ〟
さらさらいく……なんてピッタリで素敵な表現なんだろうと思っていた。本当にさらさら音を立てて流れているかのようで、他の表現ではしっくりこない。これしかないフレーズだと思う。
〝さらさらいくよ〟のフレーズ好きなのは今も変わらず、春が訪れる度に、冷たい雪解け水がさらさら流れるあの小川の風景を柔らかな気持ちになって思い浮かべることができる。
そして、幼少期の私は、雪の下からそっと頭を出したつくしを見つけたり、小さな草花を見つけては春の訪れを感じていた。
メダカも気持ち良さげに泳いでいたし、フナやゲンゴロウやドジョウを探したり眺めるのも、春ならではの楽しみのひとつだった。
その頃はあたりまえだった風景が、この先もずっと永遠に春の風物詩として続いていく未来を信じて疑わなかったけれど、今は身近で見る機会もなくなってしまった。
春待ちの2月?
その後、中学生以降の春といえば、クラス替えや新学期の改まった緊張感、というイメージしか思い浮かばなくなっていった。
〝季節を楽しむ〟よりも、それにまつわるエピソードの方が重く大きくなっていってしまったからだろう。
春が来ると、いつもの日常を取り戻すまでの数ヶ月間、真新しいザワザワした雰囲気になる。
それは、大人になり社会人になった今も、異動や新入社員を迎える雰囲気と似ている。
〝春は苦手〟が払拭できないままでいる。
春は様々な事をリセットできてありがたいと捉える人、新生活で心機一転と希望に満ちている人、体調や気分が快適になる人。
幸せを感じられる春を待ちわびる人々にとっては、きっと〝春待ちの2月〟なのだ。
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私もいつか、春を好きになる可能性もあるかも?何となくそんな気もする。
なぜなら、さらさらいく小川に春を愛でていた頃の気持ちを、こんなにも鮮明にちゃんと覚えているのだから。
shio shio
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