僕らはオシャレなカフェで原稿ができない

僕らはオシャレなカフェで原稿ができない

ぼくらは、とまとめてしまったが、少なからずいると思う同志よ。そしてわからぬリンゴの民よ。我々はカフェでパソコンが開けない。
決してオシャレなところに向かない僻みではない。ましてバカにしているわけでもない。
というのも、カフェでパソコンを開いている民よ、聞いてくれ。
メッッチャ画面見える。
となりに座ったり後ろから見える感じに座ったり、あとは通りがけとか。重要な書類かどうかは知らないが、カラフルな円グラフが丸見えなのである。
働き方改革、どこで働いてもいい、あなたのいる場所がオフィス。かもしれないが。
やばいのではないか?
まずいのではないか?
それショルダーハッキングされんか?
企業でなくフリーランスなんか?
それもまたやばないか?
という心配が出てしまう。
「お前が見なければいい」と言われればそれだけだが、世の中それがまかり通らない時がある。ふつうに情報漏洩はするのだ。悪い人がいるから。
とにかく画面はかなり見える。がっつり読まれるということはないのかもしれないが、それでも「見える」事実を知ってしまったわたしにとって、公共の場でパソコンを開くというのは苦行である。
かなり近い席に人が座られたら、あ、こいつ何書いてんだろー、とか思われるやつが嫌でたまらない。
あとわたしはもう一つ理由はある。
パソコンがでかいのだ。
ノートパソコンではあるが、結構面積を占める。それを持ち歩くのもなかなか大変だ。薄いの買えばよかった。
いま、ポメラを買おうか永遠に迷っている。実機を見てみて「薄い!けどけっこうでかい!」と思っている。でもパソコンより持ち歩きやすい。あと、文に集中できる。いいなー。欲しいなー。
わたしはそれほど、大きな買い物というのはイベントに行った時ぐらいしかしないのだが、月の映画代や服などちまちましたところを合算すると、結構な額になる。お金がない。ポメラが欲しい。できるなら新しいのがいい。
オシャレなカフェで作業がしたい。カタカタしたい。小説書きながらコーヒーを飲みたい。自己顕示欲がマックス。否、そんな人間だけではないだろう。単に一番リラックス出来る場所だから、という反論、受け付けます。でも、少なからずあるんじゃないかと。だって、スタバで作業するの、かっこいいじゃん。憧れるじゃん。そしてそんなことしている自分を、夢想したりもしたんじゃないですか。してないですか。ごめんなさい。
いや、時間がなくて、飛び込んだカフェで食事をしながら、作業をしなければならない、という人が絶対にいる。時間を無駄にしない働き方をしている人。多分無意識でやって、気づいて一人にやりとする人も絶対いる。「オシャレなカフェで作業」する人のサブテキストはどれだけ潜んでいるのだ。ああ。聞いて回りたい。あと、自然なカフェでの立ち回り方を教えてほしい。ああ。
自意識がいっぱいになった。悲しい。ポメラが欲しい。ああ。

今回はここまで。

#しおの雑文庫 #エッセイ

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