東京NSC入学式

ただ座って話を聞くだけなのに、昨夜は全然眠れなかった。入学式に緊張するというより、始まってしまうということが楽しみで恐ろしい。
私が住んでいるシェアハウスに最近入ってきた、同年代の人と寝る前にたくさん話した。その人は、この春劇団に入る。そして、もしかしたら幸福度は今がMAXかもという話になった。今は理想を描き放題で、何も分からないからこそワクワクできる。でも、始まってしまったら自分の位置がはっきりとして、理想の遠さに目眩がする。だから、遠くは見ずに目の前にある今日明日をガン見しとく。
今はお笑いが好きという理由だけで腹を括っているけど、好きがなくなる日は絶対くる。
辞めないということだけを明確な目標にしている。
最悪それだけでも死守できていれば、私にしてはすごいことのように思う。
「高いお金払って夏に半分辞めるって、すごいよな」って芸人さんが話しているのをよく見る。
私は辞める人達の気持ちがよく分かる人間だと思う。続けられる人のほうが異常だと思う。
誰だって入学式の時点では、まさか自分が辞めるなんて思っていないはず。
辞めないために、自分はその可能性があることを自覚しておく。

そんなことを布団に入ってからも考えているから、寝やすい体勢を探しているうちに朝になった。

入学式に電車で向かった。とある芸人さんが話していた入学式のエピソードで、面接のとき優しかった先輩に「リュック下ろせ!」と怒鳴られてたというのを思い出した。電車でリュックを下ろしたまま、降りてからも手に持って会場へ向かった。挨拶も普段の2割増しくらい声を張った。
念の為、怒られる要素を消して行ったが、やはり時代は変わっていて、ただ優しく誘導してくださるだけだった。

あんなに静かなルミネtheよしもと初めてだった。ゲストの芸人さんが面白い話をしても笑い声がなかったのは、別にみんなが尖ってるからというわけじゃない気がした。お客さんとして来たわけじゃないし、誰も笑わない空気に飲まれて、笑い声を出したら浮いてしまう怖さがあった。

帰りは、何組かに分かれてエレベーターに乗った。当たり前に沈黙が流れて気まずい空気だった。すると、1人の方が「今日ってこれで終わりですかね?」と言った。チラッとその人を見たら、特定の誰かに話しかけたわけではなく、全体に問いかけた顔をしていた。一瞬変な間が開いて、その隣の方が「ガイダンスある人以外は‥‥。」と言った。
おのおので(無視したわけじゃないよ、誰に聞いたのかなって思っただけだよ)と伝える顔をしているように見えた。
あの一瞬の間のせいで傷ついていませんようにと願う。


明日は校舎でガイダンス。
また念の為、怒られる要素を消して行く。
校舎は駅から思ってる3倍歩くから、思ってるより3つ早い電車に乗る。

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