ポケットに入れたままの自由を
茹だるような暑さの下に放つ

遠くで陽炎が楽しげに踊りながら
手招きしている

空っぽになったポケットからは
寂しげな音が聴こえてきた
きっと自由は吸い込まれたんだ

目の前が白くなったのは
茹だるような暑さのせい
夏は悪戯に夢をみせる
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