シェフィールド日誌(7) スコットランド周遊編 前半

 帰国してから3ヶ月近く経ってしまいました。Instagramなどで自分が行っていたSheffieldの街の様子が見られるのですが、木々はすっかり紅葉し、クリスマスの催し物も始まっているようで、季節が流れたんだなと感じています。
 私自身は大学の秋学期が始まってから忙しく、このブログを書く時間がなかなかありません。とはいえ、自己満足のためにもこのシリーズは完結させておきたいので、続きを書いていきます。今回はスコットランド周遊編です。

大まかな旅程

1日目(8月12日(土))
9:40 寮出発
10:21 Sheffield駅出発
14:01 Waverly駅到着
Scotland National Gallery
The Scotch Whiskey Experience
The Royal Edinburgh Military Tattoo

2日目(8月13日(日))
8:00 Waverly駅出発
12:30 Windermere駅到着
The Lakeside&Haverthwaite Railway
Windermere Lake Cruise
Orrest Head
19:00 Windermere駅出発
22:40 Sheffield駅到着

いざスコットランドへ

 イギリス2度目の土曜日の朝は曇り。早朝に雨が降ったらしく路面は湿っていた。スコットランド旅行のメンバーは東大生男子7人。元々早朝に出発予定だったが、東京でやり残した課題に追われる私は出発を遅らせ、残りの6人を後から追うことにした。

Sheffield駅の構内。
寮からSheffield駅は徒歩で20分強と、そこそこ遠い。構内にはキオスクやバーガーキングがあった。


 10時過ぎにSheffield駅に到着したが、Britrail Pass(今回の最後に詳述します。とりあえず青春18きっぷを思い浮かべて読んでください。)の使い方がよく分からないので、Edinburgh行きの出発ホームだけ確認して駅の窓口へ。

私「このPassで席を予約したいんだけど」
職員「予約は要らないからそのまま乗っていいよ(←許可はだいたい"You can")」

窓口で席を予約してもらう方式だと噂に聞いていた私は、本当に予約なしで乗車できるのか確認しようとしたのだが、「確認なのですが」は英語でなんと言うのか分からなかった。結果口から出てきたのは

”I can get the train without ticket, right?”

という文法的にはかなり怪しい文。出国より前、大学の英会話の授業で、疑問文を全て「平叙文+right?」で完結させる人がいた。見事にその人の"お手軽疑問文"に染まってしまった自分と、異国の地でなんとかコミュニケーションを成立させた頑張る自分の両方を感じて複雑な気持ちになった。
 乗車までにまだ一波乱あった。窓口職員のおばさんに「どこへ行きたいんだ?」と尋ねられ"Edinburgh."と答えると、「たった今出発ホームが変更になった」と言われた。出発まで10分を切っての出来事である。結局、構内にその旨のアナウンスは流れなかったので、この窓口でのやり取りがなければ私は違うホームで待ちぼうけを食らっていただろう。

異国で初めての旅の始まり

 Edinburghまでは列車で4時間。無事乗車できたものの、ようやく見つけた空席は腕いっぱいに入れ墨のある白人巨漢の隣の席だった。正直少しビビったが、隣に座っていいか尋ねると愛想よく"Sure"と言ってくれて、彼の体格ゆえに席が狭い点を除けば快適な列車旅が始まった。

初めてのイギリスの車窓

 だんだん車内が空いていったので、2席並びで"Available"の席を見つけ、窓側に陣取った。初めて見るイギリスの沿線風景は私にとって新鮮さに満ちたものだった。全く未知の風景の中を走っている高揚感は今も忘れられない。工業地帯を抜け、煉瓦造りの赤屋根の家と牧場、森が交互に現れた。名前を知らない港町も通った。世界最初の鉄道(ストックトン↔︎ダーリントン間)駅であるダーリントンも通った。高校世界史でただの単語として出てきたものを目の前にすると感慨深い。
 スコットランドに入ると結構がらりと車窓の雰囲気が変わった。列車は海沿いを走り、沿線には小さな湖と青々した草原が続くようになった。

車窓からの風景の中でお気に入りの一枚。
イングランド最北の街、Berwick-upon-Tweed。

Edinburgh(Waverly駅)到着

 4時間はあっという間に過ぎ、14時過ぎに終点のエディンバラに到着した。スコットランド初上陸。先発した6人がエディンバラ城のチケットを取ってくれており、夜には「ミリタリータトゥー」という催し物があるらしいという情報も入ってきた。とりあえず駅前で合流して、街へ繰り出すことになった。

Edinburgh(エディンバラ)の中心駅、Waverly。
ハリーポッターの世界そのものだった。

【番外編】 Britrail Passとは?

 ブリテン島内(イギリスのうち北アイルランド以外)全域の国鉄が指定の日数乗り放題になる回数券。基本的に海外からの旅人用。オプションとして日数(4日分or8日分or15日分)、指定の日数の消化方法(○日連続=通用日連続orバラバラで○日=フレクシ)、客車の等級(1等or2等)の3つがある。私は8日分・フレクシ・2等で購入した。これで約3,5000円。全然安くはないが、購入をお勧めしたい。理由は同日誌(8)に詳述。Britrail Pass自体は東大生のプログラム参加者では8〜9割が購入していたし、私と同じオプションの人が多かったように感じた。
 日数について、1ヶ月の滞在で週末は4回あるので、4日分だと微妙に足りない。また、違う街へ移動する場合ほぼ必ず国鉄を使う上、そこそこ長距離の乗車になるので、1日単位では切符を購入するよりかなり安い。8日分使い切った場合、大幅に元がとれる。
 指定の日数の消化方法について、週末を使って細切れで旅をするのだからフレクシ一択。
 客車の等級について、2等で十分快適なので、まぁ2等一択。1等というのは日本でいうグリーン車で、長距離列車の先頭か最後尾には”first class”という表示のある車両がくっついている。

Britrail Passの買い方

Britrail Passとググれば日本語のサイトから購入できるので特に説明は要らないかも。ただ、紙形式のパスではなくオンライン形式のパスを購入すると良い。後で詳述するが、オンライン形式の方が多分使いやすい。

Britrail Passの使い方

 パスを購入した際に届くメールのリンクを踏むとカレンダーが出てくるので、パスを使いたい日を選択して、その日の分を”activate”します。するとQRコードが出てきます。このQRコードを乗車後に検察に来た車掌さんに提示するか、到着駅の改札でPASMOのようにかざすことで利用できます。要は、このQRコードが座席指定なしの乗車券です。列車内はWi-Fiが弱くQRコードの画面を開くのに時間がかかるので、乗車前にパスをactivateした時点でQRコードを提示用にスクショしておきましょう。

車掌さんが検札にくるのでこれを提示する

 したがって、Britrail Passを使う場合、予約なしでフラっと乗車することができる反面、席は自力で確保する。休日でも大抵どこかに空席があるのでそこまで心配する必要はないが、ある週末の日曜の夜にSheffieldへ帰るとき、1度だけ席から人が溢れてデッキに立っているのを見かけた程度。それと、空席を探す努力はそこそこ求められる。

座席の上にAvailableもしくはNot Reservedと表示されている席を探す。
”Reserved from A to B”という表示のある席でも、A駅からB駅の間以外の区間であれば勝手に座っていられる。私はAvailableの席が見つからないときには予約区間外の席を転々としていた。

それでは今回はこのあたりで。最後まで読んでくれてありがとうございました。


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