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恐怖のお蔵

これを聞いてみなさま、何をイメージしますか

「消えた!必死で書いた1000文字の文章」とか
「せっかく作ったリール動画が・・・」とかでしょうか

ここでお話するのがリアルのお蔵
今は令和、私がお仕置きで入れられたのが昭和の時代w
土壁造りの非常に重厚な建物が実家の敷地内にこの令和の時代に現存しています

お蔵は木製の窓と鉄製の入り口が1つずつ
窓は2階にあって、扉に木の閂(かんぬき)
入り口はそれはそれは重たい扉で鉄の閂に鉄の錠
子供の力では到底開けられない、しかも表からしか開かない扉

土壁なので中は夏でもひんやりして、カビ臭い
ムカデやらネズミやらの存在・・・
裸電球が一つあって、子供の背の届かない位置にスイッチ

今でも思い出すだけで恐怖
きっとトラウマになってるんでしょうね

ドラえもんのドンジャラで喧嘩したある日

どうだったかな、確か
私が小学校1年生、2学年離れてるので弟が4歳だったのかな
しとしと雨の降る夕方
家の中でドンジャラで遊んで喧嘩になったんですよ

夕飯前の時間、外も暗くなってきた
多分お腹も空く頃だったのでヒートアップして
お互いうぎゃあーってな具合に・・・

それを見かねた父が
「こんなものがあるから悪い!」
と怒鳴り、雨降る庭にドンジャラをちゃぶ台返しの様にバラ撒いた訳です

ドンジャラはお正月に従兄弟たちが集まって、みんなで楽しく遊ぶはずな
私がリクエストしたクリスマスプレゼント

外に投げ捨てられ、余計に弟と泣き叫ぶじゃないですか
泣きながら裸足で駆け出て、拾い集めましたよね

必死でジャン牌を拾う中、横を父が弟を抱きかかえてお蔵に閉じ込める
それを見て、私は父に泣いてすがって懇願したんです

「もうしません、お願いだから許してください」
もう何度、繰り返し泣き叫んだかわからない

その後の記憶はないです
今も覚えてるのは声も出ないくらい、喉がしゃがれたのと
ドンジャラの牌が2個足りない
どら焼きのオールマイティー図柄の牌が傷だらけだったこと

それ以降「またお蔵に入れられるよ」
ということで、滅多に兄弟喧嘩は出来なくなりました
そのおかげか、今も兄弟は仲悪くはないです

しかし、当時のことを振り返ると
恐怖で支配するやり方はいかがなものかと思うわけです
きっと父も幼少の頃、経験があったんでしょうね

余談ですが、現代には「鬼アプリ」というのがあるらしく
悪いことしたら鬼来るよってな具合にしてるご家庭もあるみたいです

何でもそうですけど「やられたらやり返す」は思考停止で浅はか
建設的じゃないし有害でしかないと思う

もちろん、私も繰り返してた側なので偉そうなことは言えないのですけど
同じ様な苦しい思いを経験した今、
人間は浄化装置くらいに思っていて
悪いものを善に変える能力を誰でも持ってると気づいたんですよ

自分が経験して本当に嫌だったこと
やられて嫌なことを後世に残さないために
何処かでその不幸を断ち切る
自分はやらないという選択をする

そういう人間でありたいと私は思います
また、その行いを徳積みと言うこともあると思います





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