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【放課後クライマックスガールズ編】 嘘ライブ『曖昧な合間』ライブレポート & 新曲インタビュー(4,510字)



ライブレポート

 「ワ〜〜!」という元気いっぱいの叫び声とともに、スポットライトの当たる舞台中央へと駆け込んで来た放課後クライマックスガールズの5人。彼女たちの登場は、一瞬にして活気あふれる会場を作り出した。彼女たちはいつものように活力に満ちた表情を見せてくれた。

 楽曲披露前にMCが入る珍しい構成から始まったことで会場は一時ざわつくも、彼女たちの明るいトークに徐々に心奪われ、客席には、なごやかなムードが広がった。

 あとでわかったことだが、機材トラブルで想定外の開始となったことで、やむを得ず、放クラのメンバーがMCで場を繋いでいたというのだ。しかし、そうとは思わせない落ち着いた雰囲気作りがそこにはあった。

 トーク中、園田智代子による『嘘シャニマス聖地』本誌へのコラム連載の話(ありがとうございます…!)やメンバーの近況が語られ、ファンとの交流を深めていくと、流れるような展開でライブパートへ移行。メンバー全員が学生のスクール系ユニットとはいえ、そのステージングは紛れもなくプロフェッショナルであった。

 新曲『ひらめきエクスプローラー』に合わせた衣装は、探検家を思わせるサファリ調のジャケットをベースとしながらも、放クラ特有の、色彩豊かなバッジやリボンで細かく飾り付けられていた。彼女たちがステージを軽やかに駆け巡るたびに揺れ動き、まるで楽曲のリズムに合わせて踊るパレードのようだ。その表情豊かな一挙手一投足は、衣装の鮮やかな装飾品を楽しげに引き立て、ステージを放クラ色へ染めていった。

 ところが、だ。2曲目『凄烈変化宣言《せーれつメタモルフォーゼ》』では、サプライズ的に衣装チェンジが行われた。というのも、衣装は "メタモルフォーゼ式" となっており、前ボタンを外してクルっと回すだけで、彼女たちを全く異なるスタイルへと「変身」させたのだ。そのユニークさに、会場からは強く歓声が上がった。

 変身後の衣装は、制服調のものをカラフルなデザインに仕立てたものであり、彼女たちらしいパフォーマンスに彩りを添えた。放クラの圧巻のエンターテイメントに、筆者が主張したいことはたったひとつ。

「楽しい….楽しい!」

 ステージ上で5人の輝きは会場全体に広がり、ファンの心に響いていた。


インタビュー


─ ライブを終えて、率直な感想はいかがでしょうか?

果穂:会場が少し不思議な形をしていて、リハーサルの時は戸惑ったんですけど、本番ではお客さんたちの顔がよく見えて感動しました! だから今日は絶対に、全員と目を合わせたいな!って思ってて。気づいてもらえたかはわかんないんですけど、ちゃんと全員の顔が見られたのが、とても嬉しかったです!

智代子:果穂の言う通り、今回は特殊な形でのステージ演出があったので、登場する場所を間違えないか心配していました。でも、座席の間と間にスペースがあって、そこからせり上がっていく場面でいちばん遠くまで移動しなくちゃいけなかった樹里ちゃんと夏葉ちゃんが、ステージ下の細い通路を何回も何回も走って行き来しているところを見て、私もちゃんとしなくちゃって思いました。

樹里:私たちが駆け足で行き来していた場面は、ライブにとっても重要なシーンだったので、ジャストタイミングでの登場に間に合うよう、必死でした。正直、周りを見る余裕はなくて、自分がステージに間に合うことだけしか考えられなかったなっていうのが、ちょっと反省ポイントだと思ってます。 智代子はそう言ってくれているけど、いざステージに上がると、ダンス中のポジション移動がいちばん多いのは智代子だったんだから、あの時くらい、休んでてくれてよかったと思うぞ。

智代子:樹里ちゃん…!


─ 凛世さんは、今回のライブいかがでしたか?

智代子:凛世ちゃん、気づいたらいつも自分の立ち位置に移動してて…。瞬間移動したの!? って思ってました。

凛世:ふふ…。スタッフ様方のお導きあってこそです。お陰様で、ライブでは瞬間移動を使うことなく移動ができました。

夏葉:いつもは使っているものね。

果穂:そうだったんですか…!

智代子:果穂、冗談だよ。

凛世:いずれお見せいたしましょう。

智代子:え、嘘…だよね?

凛世:ふふ…。

樹里:智代子まで本気にすんなよな。

夏葉:あら? 樹里、あなたは見たことなかったかしら? てっきり、みんな知っているものだと思っていたけれど。

樹里:おい、夏葉まで! これじゃあ話が進まなくなるだろ!



─ 放クラとしての単独ライブや、たくさんの出演者がいるフェスなどと違って、283プロダクションに所属しているユニットだけのライブというのはどうでしたか?

果穂:私はいつも、事務所でみなさんにすごく良くしてもらっているので、そんなみなさんと一緒にライブに出られるっていうことが、すごくすごく嬉しくて!

智代子:事務所でしかお話したことがなかったり、ごくまれに、少しだけ一緒にお仕事をしたことがあるくらいな子も多いんですけど。いざ、全員集結ってなると、一体感がすごかったというか…! みんながみんなのファン同士なんじゃないかなって思っちゃいました。終演後に写真を撮り合ったりもして! あ、あとあと、メインステージで全員が横並びになったとき、人数の多さに驚きました! 283プロも大きくなったんだな〜って、感慨深かったです!

樹里:そういや、私たちがアイドル始めた頃って10人もいなかったんじゃないか?

凛世:放クラも古参となりました。

樹里:すっかり古株かぁ。

夏葉:私としては、すごく良い機会だったと思います。というのも、アイドル活動というのはどうしても競争になりがちで、トップを目指していかなければ、必然的に活動できなくなってしまうことも多い。同じ事務所の他のユニットでさえ、言ってみればライバル関係になってしまうような世界で、一蓮托生し、お互いに高め合っていくという機会は、なかなか得られない貴重な経験だったかと。アイドル活動をビジネスというふうにはあまり捉えていませんが、とはいえビジネスであり、お仕事であることも間違いないので、その中でどのように活動していくのか、スタンスはいつも明確にしておくべきだと思っています。そこで今回の『曖昧な合間』というタイトルについてですが、私はこれを「アイドルという活動における曖昧さ」のことだと感じました。もし、私たちの活動の中に曖昧なことがあれば、それを洗い出し、クリアにしていくべきだと考えています。


─ 具体的には、どういったことを考えられたんでしょうか?

夏葉:まずは何より、私たち自身が楽しむこと。そうでなければ継続ができない。継続できないことは、ビジネスとして成り立ちませんから。そしてその上で、楽しいだけでなく、ファンのみなさんや、テレビや雑誌などを制作してくださっている方々など、私たちを含めた利害関係者の全員が win-win の関係になっていないと、健全な活動にはなりません。だから、私たちは私たちに関わってくれたすべての人に喜んでもらったり、楽しんでもらったりする責務をきちんと果たしていく必要があると、改めて思いました。
・・・少しドライな話題と感じてしまった方がいたら申し訳ないですが、「楽しさ」や「嬉しい気持ち」を作り出して、それで世の中を回していきたい、ということです! ・・・ね、果穂!

果穂:夏葉さんが言っていたことの全部はわからなかったんですけど、みなさんを楽しい気持ちにできたら、私たちも、もっともっと嬉しい気持ちになって、そうやって、「楽しい」や「嬉しい」が増えていったらいいなって思います!

夏葉:さすが果穂! バッチリよ!



新曲について


01.ひらめきエクスプローラー

智代子:きっとみんなも感じてると思うんだけど、1番と2番のサビにある「ひらめき見つけて」が、 最後のサビで「きらめきに変えて」ってなるところが、すっごく好きで! 私たちアイドルの活動って、どこに向かっていったらいいのかわからなくなってしまうことが、ときどきあるんですけど、そういういろんな活動をしていく中で、たくさんの「ひらめき」を見つけては、今度はそれを誰かにとっての「きらめき」に変えて行けたらいいなっていうのはなんとなく思っていて。 それがこの曲の歌詞で完璧に言葉になっていて、初めて聴かせていただいたとき「そうそう!」って思っちゃいました!

夏葉:私は、日々レッスンやトレーニングなどを通じた鍛錬を大切にしているのですが、それは、自分自身に基礎体力がなければ、新しいものを見つけに行く『エクスプローラー』でいられないからだということを改めて強く思い知らされました。もちろんそのためにはやらなくてはいけないことがたくさんあるけれど、積み重ねていくことで、行ける場所、やれることがどんどん増えていくのはとても刺激的です! いずれは5人で、銀河の果てまで探検して、そこで見つけたものをみんなにも見せたいくらいに!

樹里:私たち放クラの楽曲は、もともとちょっと冒険っぽいといいますか、どこかへ向かって走ってくような曲がすごく多かったと思うんですけど。今までは、思いついたらまず突っ走ってみて、その先で発見があったらいいよねっていうような活発さとか、パワフルな感じだったと思っていて、もちろんそれも、私たちらしくて好きなんですけど。『ひらめきエクスプローラー』は、どちらかというと、ちゃんと何かを見つけて帰るぞっていう目的意識があるような気がしていて、そこが好きです。



02. 凄烈変化宣言《せーれつメタモルフォーゼ》

果穂:この曲は「変身!変身!……変身っ!」 っていう雰囲気で、 曲の感じが急に変わったり、振り付けもたくさん移動したり、すごく「放クラ」の 曲だなぁって思います! 特に私たちの衣装が一瞬で変化するところは、リハーサルの時に自分たちの映像を見させてもらったんですけど、すごくいいなって思いました! ライブでも、 お客さんたちが「わぁ!」ってなっているのがすごく伝わってきて、楽しかったです! 『ひらめきエクスプローラー』で着させてもらってた探検家の衣装もかっこよかったんですけど、「メタモルフォーゼ」(衣装を脱ぎ捨て、その場で衣装チェンジをする場面)して決めポーズを取った瞬間は、ピンチに駆けつけて変身するヒーローも、こんな気持ちなのかなって思いました!


─ 脱ぎ捨てた衣装を回収する動作も振り付けに落とし込んでいたのが印象的でした。


樹里:最初、脱ぎ捨てた衣装がどうしても、ポジション的に智代子の真後ろに集まってしまって。危ないから何とかなりませんかってことで、ダンスの先生に相談してみたんです。そうしたら、決めポーズのあとに両端にいる私と凛世が、流れの中で自然と回収できるように振りを作り直してくださったんです。

凛世:お陰様で、よりユニークな形となりました。

樹里:そうはいっても、凛世みたいに綺麗な動作が私には難しくて。だからちょっとだけ乱暴というか、カッコよく捌ける動きを先生から教えてもらって、どうにか試行錯誤した結果、あの形になったんです。


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