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【ストレイライト編】 嘘ライブ『曖昧な合間』ライブレポート & インタビュー(4,121字)

ライブレポート

 『曖昧な合間』というライブタイトルに沿った演出は、アイドルとファン、ステージと客席の境界線が曖昧になるように工夫されていた。ストレイライトのライブでは、このアプローチが更に進化していた。

通常、アイドルライブではファンがコンサートライトを掲げることが一般的だが、今回のストレイライトのライブでは、一部のファンが、ライトの色をあまりにもシームレスに灯らせているように見えた。筆者が知らない新しいコンサートライトかとも思ったのだが、実際は、ストレイライト仕様のコンサートライトには「自動制御モード」が搭載されており、これがライブの特殊演出の一部だったのだ。

 ストレイライトのカラーは、赤・緑・紫・オレンジ・ピンクを基調とした色であるわけだが、先述したコンサートライトは、ライブ中、その色調を崩すことなく、中間色もなめらかに表現していた。

 会場のグッズ販売において、新しいライブやツアーのたびに、そのライブに合わせたデザインが施されたグッズが販売されているのが通例である。コンサートライトも同様で、今回の『曖昧な合間』に合わせ、事前通販・会場限定で、ユニット別のコンサートライトが販売されていた。実はその限定グッズのうち、ストレイライト仕様のものにのみ『自動制御モード』が付随していたのだ。
 
 つまり、『曖昧な合間・ストレイライト仕様』のコンサートライトを購入したファンは、ライブ中それを掲げると、会場側からの制御により、自動的にライブ演出をより彩るような演出が仕組まれていたのである。

 もちろん、自動制御モードは強制ではなく、説明書きとともに、購入者が意図的にボタンを押さない限り発動しないものであったが、その辺りについては後述する。

 演出は、コンサートライトだけに留まらず、まるでマジックショーのように、ストレイライトの3人が瞬間的に入れ替わるというサプライズには、驚かされるばかりであった。

 ストレイライトのライブ、それはまさにファンへの挑戦状だった。彼女たちの演出に、我々ファンはただ驚愕し、ノックアウトさせられた。無論、筆者も例外ではない。

 まるで、ステージから「驚かせてみせる」と言われているような、熱い勝負が繰り広げられたかのようであった。




インタビュー


─ 演出の妙と言わんばかりの仕掛けが盛りだくさんでしたね。

冬優子:ありがとうございます!


ひとつずつお伺いしていきます。まず、お客さんのコンサートライトをジャックしてましたよね?

冬優子:そうなんです。冬たちストレイライトのコンサートライトを買ってくれたみんなにだけ、こっそり説明書きとお願いのメッセージをつけくわえさせてもらっていて。

─ お願いというのは?

冬優子:ストレイライトのパフォーマンス中、コンサートライトを会場側で制御したかったんです。でも、それはサプライズにしたかったので、購入前には何も言えなくて。だから、ストレイライトのコンサートライトには、自動制御ボタンを特別につけていただいていて。それを押してくれたら、「ふゆたちのパフォーマンスの時だけ特別なことが起きます」っていうことと、このことは、他の人には秘密にしてほしいですっていうメッセージを、3人の言葉で直接書かせてもらったんです。


─ 拝見します。・・・たしかに「守ってもらえたら嬉しいです♡」なんて言われたら、他言できませんね。

あさひ:
絶対に驚いてもらえると思ったので強めにお願いにしました!


─ 特別仕様のコンサートライトということで、失礼ながら、他のユニットから羨ましがられたりはしませんでしたか?

愛依:その辺りは、プロデューサーが調整してくれて。

冬優子:もちろん、ふゆたちからも機会があった子たちには事前にお話させてもらいました。

─ なるほど、根回しはおこたらなかったと。

冬優子:ふふっ。「根回し」だなんて、そんな(笑)。

あさひ:私は恋鐘ちゃんに話したんですけど、「ば〜りよかね!」って、すごく応援してくれたっすよ!

愛依:それに今回のライブでは、他のユニットもそれぞれ特別な演出をしていたということもあって、お互いがお互いの演出を教えあって、羨ましいと言い合ったりしてました。


─ 演出でいうと、 もうひとつ、入れ替わりがありましたよね。あれには驚かされました。

あさひ:やった! 結構練習したので、うまくいって嬉しいです!


─ まさか、あさひさん空中から降りてくるとは思っていなかったです!

あさひ:お客さんがいちばんびっくりすることってなんだろうって考えてて、あれがしたい、これがしたいっていろいろ意見を出したんですけど、できるって言ってもらえたのが、上から降りてくることだけだったので、やらせてもらえてよかったです!


─ 3人が消えた後、下からせり上がって来たのが冬優子さんと愛依さんだけだったので、何かトラブルがあったのかと思ってしまいました。

あさひ:驚いてもらえたのなら、作戦通りです! ありえないとこから登場したいって思ってたので! 昔テレビで、大きいドームの天井から登場する野球選手・・・?を見たことがあったんですけど、いつかやってみたいと思っていたので、できてよかったっす!


─ 有名なパフォーマンスですよね。ちなみに、他にはどういった演出をお考えだったんですか?

あさひ:爆発とか、バルーンとか、上からたくさんグッズが落ちてくるとか。あとはお客さんを…

冬優子:あさひちゃん、あんまりそれは言わない方がいいかも…?

あさひ:え? そうなんっすか?

愛依:あさひちゃんが、すごく自由に提案してくれたので、打ち合わせはすごく楽しかったです。


─ ちなみに、入れ替わりはどういったトリックを使ったんですか?

冬優子:それは…秘密です♡


─ ですよね(笑)。

冬優子:入れ替わることで、今みなさんの目の前にいるふゆは、もしかするとあさひちゃんや愛依ちゃんのような一面も持っているかもしれないし、見えているものだけが現実じゃないかもしれないよっていうことだったので、うまくいったかなと!


─ あの瞬間は、会場中がパフォーマンスを見ることを忘れて、ただただ驚いていたようです。

冬優子:そうなってくれて良かったです!



新曲について


01. DiG-iT-al!


冬優子:
レコーディングが終わるまで、歌詞にもあるように「ディグイットオール」と読んでいました、実際、ふゆたちがふだん提示しているように、リアルでもバーチャルでも、どっちの自分も本当のものとして、その中にある様々な要素を全て掘り起こすというような内容にもなっているので、何も疑っていませんでした。ただ、リリースされてから少しだけエゴサーチをしていたら、これが『デジタル(digital!)』と読めるってファンの方が考察してくれていて、びっくりしました。

あさひ:・・・? これ、そういう意味だったんすね。

冬優子:あれ? あさひちゃんにもお話したような・・?

あさひ:よくわからなかったっす。私たちは現実世界に生きているのに、どうしてデジタルとかバーチャルとかを行き来できてることになってるんだろうって、思ってたので。


─ たとえば、ストレイライトとしてパフォーマンスをされる際、あさひさんはスイッチを切り替えるような感覚はありませんか?

あさひ:うーん。ステージに立ってるときは集中してるので、よくわからないですね。

冬優子:あさひちゃんは、ナチュラルに切り替えているんだと思います。ふゆは、ストレイライトとして舞台に立つときは、いつもよりさらにカッコいいふゆをお届けできるように、ちょっとだけギアを切り替える感覚があるので。愛依ちゃんは、普段からカッコいいんですけど。

愛依:カッコいいかはわかりませんが、ライブが始まる前に、気持ちの面でスイッチが入るイメージはあります。それが表と裏、2つの面と言われたら、そうかもしないです。


─ パフォーマンス時にはどういったことを意識しましたか?

冬優子:個人的な話になってしまうんですけど、ふゆはみんなに可愛いところもカッコいいところも見てもらえたら嬉しいなって思っていて。だけど、もっともっと深掘りしていくと、ふゆ自身がまだ気づいていない「ふゆの顔」も、もしかしたらあるんじゃないかなって。そういったものを、たくさん掘り起こしていって、いつかお見せできる形に作り変えていけたらなって思いました!

愛依:私は、冬優子ちゃんみたいに上手に喋れないけど、みんなに知ってもらいたいことはまだまだあるような気がしていて。だから冬優子ちゃんと同じように、内面をもっともっと掘り起こして、私も知らない私を知って行きたいなって思います。

あさひ:自分がどう、みたいなことよりも、曲の面白い部分を見つけて、どうやったらそれが形にできるかってことの方が、興味深いっす!



02. TriPixel Nexus


─ コールと言いますか、叫ぶ箇所が多いのが特徴的な曲ですね。

冬優子:そうなんです! ちょっと大変ですが、ライブには絶好の曲かなって思っています!

─ 「In this TriPixel Nexus, we transcend」の部分は、私も現地で叫ばせていただいました(笑)。正直、あそこで声を枯らしてしまうお客さんも多かったんじゃないかと。

冬優子:ありがとうございます♡ この曲のいちばんの醍醐味は、あそこでみなさんのお力を借りて、全員で何回も繰り返すことで一体感を作り上げていくことだったりするのかなって思ってました。ライブでは初披露だったのですが、みなさんのコールおかげで、すごく力強い曲として完成したかなって思います。声を枯らしてしまった方には、ごめんなさいっていう気持ちと、そのご協力のおかげで、いいライブが作れましたっていう感謝と、両方の気持ちでいっぱいです!


─ あれだけ何回も叫んだあとでも平気で歌い上げていたので、相当レッスンを積まれたのかなと。

愛依:
私たちが倒れてしまったら台無しになってしまうので、そうならないよう頑張ってきました。

あさひ:レッスンの先生もすごく褒めてくれて、「あさひちゃんは私よりバテない体かも」って言ってくれました!

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