KOC2022感想と審査員寸評
1.優勝はビスケットブラザーズ
15代目キングはビスケットブラザーズ。熾烈な戦いを制し、歴代最高得点での戴冠となりました。2本ともに破壊力のある二人ならではのコントだったと思います。本当におめでとうございます。
2.お笑いの日はTBSに根付く文化となるか
KOM自体は昨年を踏襲し、非常に仕上がりのいい番組となっていた。審査員の入場の際ひとボケも、昨年に比べかなりほぐれており、会場の空気も緊張感を交えつつ暖かい感じが見て取れた。様々な大会としての形はようやく固まってきたのかなと。
3.各ネタの感想&審査員寸評
1.クロコップ ホイニスト
同じ展開で4分やり切ったのが突き抜けていると思った。リズムネタじゃなくてテンポネタとでもいうべきか。最後のはしごと音だけでヘリの情景が浮かばせるのは斬新。
飯塚:立派なショーだった。が、新しいやられたなが欲しかった
山内:世界で通用するような。最後の謎のヘリも良かった。構成無しで攻めるに偽りなし。
松本:無駄がなく素晴らしかった。二人の受けてるぜって顔で少し減点した。(ボケ)
秋山:休み時間の延長のような好きなネタ
小峠:トップで一発目までの笑いの短さを評価。普通は展開が詰まっていくが最後まで切れなかった。
2.ネルソンズ 結婚式
奥行きが深い。トリオの3人に加え、式場の情景がちゃんと目に浮かんだ。和田まんじゅうの不思議な可愛さが魅力的。「行く感じだすのやめて」「2次会だぞ」がたまらなかった。演技力とキャラがうまくマッチしていた。
山内:3人の役割がしっかりしていた。行く行かないの空気を作るのは難しいがうまく構成されていた。
飯塚:よくある設定なのに新しい展開たくさん散りばめられていた。
秋山:もっとかき回すネタも知っているので、期待した。
3.かが屋 ドM
演技力が異常。ドア一枚で縦の演出が良かった。ワードが派手じゃないのにパワフルだった。
小峠:とびらの使い方が気になったが見事だった。入る数も2回でちょうどよかった。
松本:最後の攻めの詰め方がもう少し欲しい。
4.いぬ パーソナルトレーニング
ドラマの比重に対し演技力が低いの無理に笑いを差し込んでいる感じが強かった。ショートムービーの様だった。現場は揺れてもお茶の間との温度差は大きいと思う。
松本:僕は好きだったが。フランス大会なら優勝だった。
飯塚:一番笑ったが、キスは禁じ手だと思う。
小峠:面白かったが、キスの交互に終始なので5分ネタではない。3分ネタならはねた可能性あり。
山内:起承転結でなく、キキスキスキス
5.ロングコートダディ 料理頂上決戦
独自の世界観を古典に落とし込むセンスが素晴らしかった。兎がキャラがいいのに憑依もできるちょうどいい塩梅で万能。
秋山:兎のやばさが出ていてはまっていた。
飯塚:馬鹿なのにかわいくないというキャラはなかなかいない。繰り返しなのに見てられた。
松本:90点が低いと思われるほどに今年のレベルが高い。
6.や団 ドッキリ
上質な正統派コント。かなり猟奇的な内容なのにそれを感じさせないラインの演技力と最初におちゃらけをみせた構成が良い。
松本:狂気と笑いのバランスが絶妙で良くできた作品
飯塚:めちゃくちゃいいネタ。リアリティが半端ではなかった。それで笑わすのはすごい。
秋山:パーカー着て出てきた時からやばかった。
7.コットン 浮気証拠バスター
きょんの細かい演技力が冴える。結婚直後に浮気ネタする覚悟。男の声を出した時点で先が読めてしまった。
山内:設定が良く設定が存分に生きていた。練り上げて受けるポイントをつかんでいた。
秋山:ボケがあり笑いがあり途中で出てくるアイテムも良かった。
松本:言葉・動き・設定すべてで笑いを取っており心技体ともに素晴らしかった。
8.ビスケットブラザーズ 野犬
音響の使い方と舞台の使い方が良い。ワードセンスがいいのにキャラに食われているのが少し残念。個人的にそこまではまってないのだけど、このネタは圧巻で首位通貨も納得。
小峠:全ボケ面白かった。出オチと見せかけて細かい。
飯塚:全ハマりしてた。
松本(歴代最高得点):100つけても良かったがあと2組いるので98とした。
9.ニッポンの社長 バーリオン
ケツの存在自体が面白いがそこに終始する戦い方しかできないのがこのコンビのコントでのウィークポイント。
松本:暗転を多用するコントは難しい。見る側が先回りしてしまう。
山内:暗転でショートコントっぽくなるし、それぞれがぶつ切りで関連性もなかったのが惜しい。
10.最高の人間
二人のいいところが完全に調和されていた。
「逃げて」は読めていたのに笑ってしまった。
5分ネタでは暗転/明転の尺が長く、笑いにつながらない時間が多くなってしまった感があった。明転明けにもうひと展開を期待していたのにあっさり終わってしまった。長尺で見たい作品。
飯塚:世界観は良かったが現場がハマり切れていなかたのと岡野の緊張感
小峠:見たことない展開。
FINAL.1 や団 雨
雨のbgmは途中で消しても良かったかも。
山内:細かい設定。二人ともクレイジー同士のバトルが良かった。濡れてる男は面白いという発見。
飯塚:本日一番面白かった。設定が好き。仕上げるのは至難の業。
松本:2本目落ちるコンビ多いが遜色なかった。
FINAL.2 コットン お見合
山内:台本はもちろん演技力が何倍にもしている。落ちで最後一番受ける展開がいい。
秋山:煙だけでここまで展開を広げれるか。
小峠:たばこの何とも言えない確度。プロポーズのタイミングが抜群。流れが秀逸。
飯塚:や団と比べると。となる。や団はオリジナルストーリー。コットンは何かのラブストーリーを踏襲しているように感じたので1点下げた。
松本:飯塚に同じ
山内(2週目):最初の煙草を出すとこのつかみが良かった。きょんのディティールの細かさが良い。
FINAL.3 ビスケットブラザーズ
一人二役はややこしくて難しいが現場はそうでもないような雰囲気だった。
山内:ほかのネタもおもろいからいつか来ると思った
秋山:はっするものすべて
小峠:文句なし
飯塚:見たことない設定。二人にしかできない。
松本:コントは面白いのは当然だが、演技力が無いと上がってこれない恐ろしい時代になった。
4.最後に
個人的にはかが屋と最高の人間が抜けて面白かったが、ほぼ全組に笑わせて頂いた。
松本人志審査員の言う通り、コントはセンス設定だけでは通用しない、役者顔負けの演技力の時代に突入した感じはある。応援していたいぬ、ニッポンの社長が下位に沈んだことからも、物語っていると思う。漫才と違い、ステージの枠からはみ出さないコントでは、いかに世界観に引き込むかということは、よくよく考えれば重要なファクターなのかもしれない。
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