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THE SECOND〜漫才トーナメント〜2024 を見た感想

1.優勝はガクテンソク

 第2回大会となったTHE SECONDを制したのはガクテンソク。昨年のギャロップに続き、高得点を入れざるを得ないといったような、圧倒的なネタの練度は劇場での研鑽が垣間見れました。現場/視聴者ともに納得の優勝といったところではないでしょうか。お二人の今後のテレビでの活躍が期待されます。

2.大会全体の感想

 概ね前回を踏襲しており大きな変更はないのだが、とにかくネタとネタの間が長すぎてしんどかった。漫才7本で4時間は正直途中離脱する視聴者も多かったのではないだろうか。
無理に一般審査員に感想求めるのも結構大変だよなと思いつつ、皆さましっかりコメントされててすごいなとただただ感嘆。

3.理想と現実の乖離。大会のあるべき姿

 トーナメントは一発勝負のヒヤヒヤがあるし、どのコンビもレベルが高い。しかし蓋を空ければガクテンソクは特に肝を冷やすこともなく勝ち進んでいった。どの組み合わせになっていたとしても、優勝したのではないかと思えるくらいの安定感だったと思う。

 その前提で話をさせて頂くと、やはり個人的には昨年のマシンガンズ然り、賞レースで評価に至らなかったコンビの躍進は喜ばしい。観客審査になった時点でも、そういう芸人にチャンスがあると思っていた。しかし現実には芸術的なまでに研ぎ澄まされたネタが優勝に値する。という真っ当なジャッジが下されている。ガクテンソクのネタはそれほどまでに強かった。

 ザ・パンチは本当に素晴らしかった。最初にたっぷり掴んでネタに入るのはベテランの6分漫才のセオリーにしてもいいんじゃないかとさえ思えたし、観客への自然な拠り方には感激した。私は吉本の劇場にはほぼいかないので、お二人の変わらないキャラクターと圧倒的に進化した漫才がみれてとても満足したし、3本ともとても面白かった。正直つかみがうますぎて、どんなネタやっててもハマってたと思う。
昔のネタも大好きだったけど、「死ね」という単語がほんとに嫌いでそこだけがネックだったのだが、あの日の二人の魅力のまま、ネタも進化していて、あらゆる角度からみても最高だった。
(とはいえ、昔の二人があっての今回があるし、何もなくフラットに見たら普通にガクテンソクが票を集めた事になんの異論もない)

4.終わりに

 個人的にはハンジロウを応援していて一番面白かったのはななまがり。
 結果的にガクテンソクの優勝に異論無し、ザ・パンチの魅力を再認識。という総括。

 賞レースだけが全てではないという当然の前提があるものの、M-1では認められなかったスタイルを容認してくれる大会でもあると思うし、フレッシュな新しい形の笑いとはまた別の魅力も十分に堪能できる。

 他の賞レースと比べても一層、ネタの強度よりも人間自体の魅力の再発見が求められる場ではあると思うし、オールドファンほど「待ってました!」と言いたくなるコンビが目白押しになるのが古参にはたまらない。

 次回以降、人がネタを凌駕する瞬間が楽しみだ。



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