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在庫品目と消費品目の違い

SAPにおける購買発注の調達品目は2つの種類に大別できます。この2種類の違い、在庫品目と消費品目の違いについて整理します。

在庫品目は在庫管理を行う品目で、品目マスタを必要とします。対して消費品目は、直接消費を目的に在庫管理を行わないため、品目マスタが不要で、代わりに会計上の勘定設定カテゴリを必要とします。

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在庫品目
在庫保管をする品目です。品目マスタレコードの情報を参照して、在庫移動、勘定転記を行います。在庫の入庫などで金額、数量が変化した場合、自動で品目マスタが表示する金額、数量を更新します。

在庫品目は直接消費ように調達が可能です。得意先のために商品を購入する場合がこれに当たります。

直接消費品目
購買発注時に消費目的を指定する消費品目です。品目マスタレコードが不要な分、品目テキスト、品目グループ、購買発注単位、勘定設定オブジェクトをマニュアルで入力必要があり、勘定設定オブジェクトが入庫・請求書受領時の消費勘定転記を制御します。

品目マスタがある品目も直接消費品目として購買発注が可能です。その場合は、在庫管理方法を品目タイプで指定します。ネジのような数量管理の非評価品目(UNBW)、ティッシュやボールペンのような在庫管理しない非在庫品目(NLAG)

勘定設定オブジェクト
消費品目を調達する場合、勘定設定に関する制御情報を品目に格納するためのオブジェクトです。勘定設定カテゴリ、追加勘定設定を入力します。

勘定設定オブジェクト例
原価センタを表す(K)、資産を表す(A)など。勘定設定オブジェクトの入力によって、必須入力項目が変化します。

原価センタ(K)では、勘定コード、原価センタが入力必須となります。
資産(A)では、資産番号の入力が必須です。G/L勘定は資産管理番号を使用します。

勘定設定の複数会計
購買依頼および購買発注の拡張トランザクションでは、購買依頼の明細、つまり購買発注における個々の品目に対して追加の勘定設定が可能です。このような複数勘定設定を指定した場合、個々の品目の勘定設定オブジェクトは、発注合計額を持つヘッダーから個々の明細へ原価の配布方法を指定する必要があります。

複数会計の原価配布方法
(1)数量による配布、(2)率基準での配布、(3)配布比率の3つのオプションがあります。

分納契約において納入完了を待たず請求が行われる場合の原価配賦方法
分割請求書金額は(1)配布率に応じた割合で配賦、もしくは(2)順当に配賦する段階的充当方式で配賦することができます。