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「出会った」

2004年制作 油彩・キャンバス F15号

意志が認知する瞬間

2枚目の画像の作品「意志」の完成後に、制作プロセスを見直すことによってこの作品は生まれました。

「意志」の制作時は、最初に完成イメージを決めてからそれに向かって一日8時間、一筆入れるごとに4~5m程離れてを繰り返しながら、約ひと月程描いていました。

完成してみて、作業量ほど得られる結果が少なかったように感じ、原因を考えたところ、制作中に絶えず動き続けていたため、一筆一筆における冷静さを保つことが出来ていなかったのではという仮説を持ちました。

そこで「出会った」を描く際は、対策として一日に一筆入れたら頭を冷やすためすぐに帰るようにし、描くイメージについても最初に細かく決めず、漠然とした完成した時の「雰囲気」のみを思い浮かべてそこに近づけそうなタッチを1つだけ描くことを日々繰り返しました。

結果的に出来た作品はゴール設定が曖昧な分、これがなんであるのかを言語化することが難しくなりましたが、後になって考えたのは、「意志」の作品の中の部分的な空間になっていて「意志が認知する瞬間」を描いているようにも思いました。


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