見出し画像

「緑の日」

2004年制作 油彩・キャンバス F40号

大学生の頃に描いた作品です。
この作品は、主に「瞑想」と「時の流れ」を描いています。

2つのテーマにはどちらも源流があって、瞑想については和尚(バグワン・ラジニーシ)と、時の流れについてはジョン・コルトレーンという人達から着想を得ました。

和尚は、悟りに到達するまでの精神状態を独自の説法で教えるインドの宗教家で、高校生の頃に彼の本がたまたま家にあったのを読み、本に基づいて瞑想について実践したところ、心の存在を忘れ静かな充足感を得ることが出来た経験から瞑想を維持することを描こうとしました。

ジョン・コルトレーンは主にアルト・サックスを演奏する有名なジャズプレイヤーの巨匠で、後期の長尺の曲(1曲1時間程ある)を当時繰り返し聞いていました。

この長尺の曲の内容が、もともと短い尺の曲が1時間位になっており、その引き伸ばし方が元々のメロディーを点滅させながら長い時間をかけて演奏するという方法を取っていて、そこから非常に長い時の流れの表現としてこの絵の点滅するようなタッチを思い付きました。

自分の心は存在しないが、何かを感じている受容体が生死に関わらずずっとあり続けるかどうかの様態に興味があり、その持続した世界の第一段階(植物化するまで瞑想している)を仮定して描いていました。
しかし、当時も今も悟りの状態を維持することは難しく、和尚の教えとも次第に離れ、不完全な状態そのものを受け入れ葛藤することが自分の作品スタイルとなっています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?