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日本のホテル史概要①

日本におけるホテルの歴史

日本のホテルの歴史は短いです。宿場としては江戸時代にも旅籠屋や木賃宿といったものがありましたが、欧米風のホテルができたのは当然幕末の開国後になります。

日本でホテルがどのようにしてできたのか、どんな歴史を経ていまに至るのかをざっくりとでも知れば、今の日本のホテル業界はどんな状態なのか把握することができるんじゃないかと思います。

私自身もまだまだ勉強中ですが、歴史を見ることで今の日本のホテル業界の弱点を見ることもできたので是非共有したいと思い書きました。出来るだけ見やすくシンプルに書きましたので是非ご覧ください。

日本のホテルの始まり~迎賓館時代~

日本に初めてホテルができたのは幕末の時代。開国後往来が始まった外国人に対する迎賓館の役割を担っていました。

1860年にオランダ人のC・Jフフナーゲルが開業した横浜ホテルが日本最初のホテルです。(1866年に焼失)。

現存する最古のホテルとしては1873年に建てられた金谷カッテージ・イン(現在の日光金谷ホテル)があります。

その後文明開化の時代を迎え、外務省が本格的な日本のホテルを首都の東京に置くべきだと考え、宮内庁と財界の有志(渋沢栄一など)が協力して1890年に帝国ホテルを建設します。

同時に民間の日本人もホテルを建てる気運が高まります。

世界恐慌と日本最初のホテルブーム

1929年に起こった世界恐慌を受け、日本は外国人客誘致による外貨獲得で不況を補おうとします。1930年に国際観光局を設立し、全国にホテル建設を促します。現在も残っている上高地帝国ホテル、川奈ホテル、雲仙観光ホテルなど現在はクラシックホテルと呼ばれるホテルが建設されホテルブームとなり、多くの外国人で賑わいます。

しかし時代は徐々に戦争に向かっていき、1941年太平洋戦争の始まりと共に国内のホテルはほぼ休業状態へ。

戦後のホテル再生~第一次ホテルブーム~

戦後、GHQにより接取されていたホテルは徐々に再開していきます。

1952年日米講和条約により日本の独立、諸外国との国交が回復すると、再び観光事業が注目されるようになりホテルの法整備も進みます。(旅館業法もこの間制定)ここから航空機の発達とともに外国人客も再び増加へ。

昭和30年代はいわゆる「御三家」と呼ばれるホテルオークラやホテルニューオータニが開業した時代。1963年には日本初となる外資系ホテルの東京ヒルトン(現ヒルトン東京)が開業。ここで日本は初めてアメリカ式のマネジメントを学んだそうです。

この時期を一般的に「第一次ホテルブーム」と呼びます。

続く

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