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【シャドバ】DOV環境分析-Ⅲ‐

加速するメタゲーム

レート16期前半戦が開幕して1週間。通例ではあるが、メタゲームの変化はより加速している。1週間に1度のスパンでは環境分析が追い付かないのではないか、という危惧もある。だが今期はこのテンポ感を維持していこうと思う。

参考までに前回の記事はこちら↓

前回、エルフvsドラゴンvsビショップvsOTKが現在のメタゲームだと結んだ。しかし、そこからさらに進展してメタゲームは新たな局面を魅せている。

環境概観

まず、レート運営が出しているRatings for シャドウバースメタレポートの使用率変化を見てほしい。

開幕当初トップシェアだったエルフ・ドラゴン・ビショップがそれぞれ数を減らし、代わりにヴァンパイアがシェアトップになっている。そのヴァンパイアを大きく押し上げた立役者は明確で、進化Vというアーキタイプにほかならない。自分もレートで進化Vをずっと使用していたが7割近い勝率を出していてとても信頼している。またJCGの結果を見ても、ヴァンパイアの勢力拡大は、目を見張るものがある。

ツイートは”iDeal │痔”さんのものを引用。先週末行われたJCGでは3連続でヴァンパイアを持ち込んだプレイヤーが優勝。金曜日のものこそ優勝は進化Vではなく背徳バアルVだが遺憾なくその存在感を知らしめる結果となった。

強みとしてはまず「魔獣の女帝・ネレイア」が挙げられる。このカードの存在で、エルフやネメシスに対して強力なアドバンテージを築いていて、基本的にどの対面に出しても一定以上の働きをする。

そして「堕落の決意」の存在。このカードが現在の環境にクリティカルで「鳳凰の庭園」「清浄の領域」「ギガスファクトリー」など役割対象は多い。またドロー効果からリソース、「虚無ノ哭風・グリームニル」とのコンボで打点に変換することも可能という万能カード。

こうして殆どの対面に五分以上の相性差で、唯一の難敵と言ってもいいライドD相手にも、回復機会の多さから絶望的な相性差は開けてないというのが現状だ。

▶エルフの底力

こうして減少傾向にあったエルフ・ドラゴン・ビショップだが、エルフだけは再びシェアを取り戻しつつある。というのも、エルフの有力なアーキタイプであるロキサスEとセッカE両方が、難解ではあるが練度によって勝率が左右するデッキで、比較的動きが単純な進化Vをエルフ側が捕捉したことが考えられる。

またヴァンパイアよりも苦手としているライドDが減ったことが、収支としてややプラスに傾いたこともあるかもしれない。

▶今後の展望

今後再びライドDがシェアを回復し始めるのではないかと予想している。苦手な清浄Bが減り、比較的有利に立ち回れるエルフとヴァンパイアのシェアが多い。

今までのエルフ・ドラゴンを頂点として、そのメタであるビショップ、そのまたメタであるOTKという構図が、エルフ・ヴァンパイアを頂きにすげ替わって再生産されるだろう。

今現状、進化Vに大幅に有利をつけるデッキが出現するのは考えづらい。

アーキタイプ雑感

▶進化セッカエルフ

ヴァンパイアの「壊天災・ハレゼナ」「ネレイア」、ビショップの「領域」など、エルフ側に回答が用意できないカードがありその相性差を覆すため、「堕落」を採用するアプローチを試みたデッキ。

そもそもギミック的には「優美な猫姉妹・シャム&シャマ」「宿命の狐火・セッカ」など進化回数を稼げるカードが多めで進化ギミックを搭載する素地があった。そのため「陽光のエルフ」を加えることで安定して進化回数を稼ぎ、「閃光のエルフ・アルバータ」を外し不足した打点を「グリームニル」で補った。

試行結果としては、やはり没。ヴァンパイア相手はこうしたアプローチを試みなくとも、ある程度プレイングで勝率が担保でき、清浄Bは減少傾向にあるためそのアイデンティティを失った。

またミラーマッチにおいて、「アルバータ」の欠如から後手捲くりのハードルが上がってしまい残されたのは欠点のみ。というわけで改めて清浄Bが増えるようなことあればまた検討の余地が出てくるかな、といったところ。

▶庭園ディスカードドラゴン

最近地味に良く名前を聞くようになったデッキタイプ。"紅茶/PaR"が配信で回していて強そうだと感じた。

まず使ってみた感想が、「わからない」という一言。難解すぎてよく分からない。ただドローソースが多くて安定感が高いのと、回復量やスロットの自由度、「エターナルホエール」の制圧力はかなり魅力的に感じた。正直難しすぎて使ってみても大幅に勝ち越せたわけではなかったが、可能性は感じた。練度と環境次第では充分選択肢に入ると思う。

▶進化ヴァンパイア

そしてTier1に登り詰めたこのデッキ。

現状、よく目にする論点は
・2コスの選択
「ハレゼナ」の有無
「《世界》・ゼルガネイア」の枚数

のこのあたりだろうか。

まず2コスの選択だが、「ラミエル」「永劫の吸血鬼・アルザード」に異を唱える人はほとんどいないと思う。人によって異なるのは総枚数と残りの選択。個人的にはこのデッキ、手札が溢れやすいのと序盤の安定感を重視したいため、2コストは計12枚採用したいと考えている。

そうなると最低でもあと2種類は必要。そのうち1種類は進化と渇望、両方のシナジーを兼ね備えている「小さき赤き竜・ビィ」を採用。相性が良すぎて採用しない理由に乏しい。

そして同様に進化と渇望、両方のシナジーを持つ「衝撃の人狼・リベルテ」だが、このカードの採用は1枚に留めている。というのも自分の場のフォロワーを必ず犠牲にしなければならず使いにくさが目立つ。「アルザード」との相性が良くて被らなければ無難に取り扱えることから1枚に抑えた形だ。

そして残りの2枚は現在「ショーダウンデーモン」を採用。時間差でドローできることで「ネレイア」を自動進化させやすく、「クリムゾンウォー・ラウラ」とも相性がいい。進化権を投じても「ラウラ」の打点を底上げしたり守護を2面以上並べるのに貢献したりと、偉いことが多い。

また、「ハレゼナ」に関して。現状「ハレゼナ」は進化Vに必要なカードだと考えていて、特にセッカEに対して相性で上回るなら必要だと考えている。進化や渇望のシナジーは持たないが単体で強力。そしてこのデッキは単体で強力なカードを集めたグッドスタッフという側面もあるため、そういう意味ではコンセプトに則している。

そして「ゼルガネイア」の枚数に関して。対ドラゴンを考えるなら3枚採用してもいいカードで、対ドラゴン戦のキーマン。ただドラゴンのシェアが減っていて、その他の対面ではこれを出し続けているだけでは勝てないため腐りやすい。そのため現状は1枚の採用に留めている。しかし数を増やしたい部分でもある。

▶アーティファクトネメシス

そして地味にシェアを維持し続けているのがこのアーキタイプ。というのもこのデッキも練度を要求されるかなり難解なデッキ。だが、そのぶん練度次第でどの対面とも比較的安定して戦えて、JCGでも常に上位に存在している。

弱点は「ハレゼナ」と結晶「ティアマト・マグナ」。その回答として「狭間の生成」の採用がメジャーになってきている。実際このカードなかなか小回りが利いて使いやすい。

被ってしまっても序盤に重ねて投げてビートプランもあり、結晶「ギガス」を置いたあとハンド管理のために投げ捨てるなど、様々な使い方がある。

またこのデッキもかなり採用するカードに色々な意見が割れていて、構築もプレイと同じくらい難しいものとなっている。これは流石にもっと練習しないと自分のモノになりそうにはない。

総括

総括すると立ち位置の良い進化Vと練度次第で勝率が出るエルフ(ロキサスEとセッカE)の2大勢力。そしてそれに立ち向かうライドDと、周縁勢力という構図。

環境もある程度固まってきて、アーキタイプも出揃った感がある。この構図をぐるぐる巡る形でこのままRAGEに突入するような気がしている。

となると、握るべきはやはりエルフとヴァンパイアなのか。エルフはもっと自分の練度を上げなければならないだろう。そういう意味では比較的プレイの選択肢が少なく簡単な部類に入る進化Vには助かっている。

今週末にはJCGスイスドロー大会があり、その結果如何ではまた大きく環境が動くかもしれない。前回のスイスドロー大会では惜しい結果だったので今回こそは、勝ちきりたい。






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