2020/4/25 有時に発信するということ

【2020/4/25 有事に発信するということ】

土曜日、朝。

朝ごはんは早々に済ませた後に、仕事場兼寝室のようなスペースで、のそのそと休日を始動。そしたら、なんでも今日は掃除日だそうで、娘たちがわらわらと入ってきた。床に掃除機かけるので出るようにと言われて、退出。そうか、自分でやるつもりだったのだけど(ホント)、やってくれるということであれば、ありがたくも、いそいそと移動。別な場所でこの文章を打っています。

 FBのグループでも、その他のやり取りを見ても最近だんだんと強く感じるけど、それぞれの立場により、今の状況は大きく振れ幅があるのだろう。そして、相対的な座標はそれぞれ、他人から想像するよりも著しく、また、日々を追うごとにその幅が増していくのだと思う。

 そう窺わせる観察の一つは、言葉がどんどんと過激になる人が増えていることだと思う。私のように、些事にはこだわらないように努めていても、いろいろと小さないざこざには巻き込まれそうになり、そのたびに、少し翻って身を躱す。何となく身を躱す動作も自粛生活の影響で鈍くなっている気もするけど。
 
 医師免許保有者とはいっても、臨床医の先生方の一般の日々とは私のそれはだいぶん違う。フロントラインの医療の現場にいらっしゃる先生方の状況には頭を下げるしかない。
 一般の人から見る以上に、医師の生息域、生態はさまざまだ。感染症治療の最前線にいる人から、専門医ではないけど大いに影響を受けている人、同じ病院にいるけれどそれとは関係ない人、全国津々浦々の病院で増えつつある潜在患者と向かい合う開業医…。その他にも、産業医、大学教員(病院以外)、私のようなビジネス領域の人間や、小説家とか他業種に転じてもっと離れたところに棲息している人まで、本当に様々だ。
 そして、今回のコロナ禍のようなときの特徴は、その様々なレイヤーの医師が、個人的な経験と体験に基づいていろいろなレベルの発信をする訳だ。
医師だけでなく、医療以外の専門性のあるかたや、あるいはもっと広く、特に何も専門性がないかたが、今回にわか勉強をして発信することもある。
 そのどれの価値も否定しない。ただし、それらが濫造され、情報の洪水が造られることは誰も歓迎していないように感じる。

 情報が多すぎて、いい情報がうまく探せない。鍵は鍵束に隠せと言われる所以です。

 そういう背景のもと、私の主宰グループでは、あくまで私の経験、経歴と知識、慣れ親しんできた論理的思考法、というフィルターを介した情報を掲げています。
 緊急事態宣言前日の4/6から毎日朝にこれを書いているのも、情報が錯綜するときには、一次情報の価値が高く、私が直接書いたものは、少なくとも安心して読んでもらえると思うからです。もちろん、私の書くものへの信頼をいただけることは重要な前提になります。
 私以外の方が発信していただける情報も、自分の能力を信じて、僭越ながら判断もさせていただいています。
 あと、(午後になっちゃったけど)もう一つだけ言い添えておきたいのは、2011年に東日本大震災直後に福島や東京で放射線、核医学の学徒として発信をした時のことは大きな原体験となっていて、今回の情報発信に確実に役に立っているということです。
 専門家たるものは、有事に矩を越えてはいけない、と思うのです。そのことも何度か申し上げたけど、ここに改めて記しておきたいと思います。

そして、ここの情報を毎日見ていただいている方々には、できれば私の能力を一度は疑ってかかってみてほしく、その見極めのためには昨年出した拙著Die革命を読んでいただきたいと思っています。(今年出す本でも構いませんが、それはまだ数か月はかかるので。)
 もともとはこのグループは拙著を読んだ方しかいなかったけど、今はそうではなくなったので、改めてこれを申し上げている次第です。なので、本の宣伝という意味ではなく、過不足なく理解いただければ幸いです。

 そんな事情を説明したうえで、ここのような情報基地を求める方が確かにいらっしゃると信じるからこの情報発信をやっています。ですので、ご賛同いただける方、心地よいと思っていただけるかたが居て、読んでいただければそれで十分だと思っています。


 今日も、<Stay at Home>。加えて、週末なので<Think at Home>

2020/4/25 Die革命グループ主宰・医師 奥 真也

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