RINGO SISTERS「SEBADAVA MAINEBION」

りんご娘が、2076年に再結成され、メタル風の曲を歌っているという「設定」の曲。2018年に発表されている。早口で津軽弁をまくしたてるこの歌は、吉幾三の「Tsugaru」よりも先に発表されていて、さらに難易度が高く面白いのだが、おそらく津軽弁を解さない人にはやや難しすぎるのかもしれない。吉幾三の歌は、難しいけれども「青森から離れて全く戻ってこない若者たちへの嘆き」を歌っているのが明らかであるのに対して、この曲は2076年という設定も難しすぎ、歌詞も難しすぎて、興味をもたせることができなかったのかもしれない。

曲名の「せばだばまいねびょん」というのは「それならダメだろう」という意味で、それ自体として意味のある言葉ではないのだが、津軽弁の難しさを表すフレーズとしてときに用いられる。このほか、「りんごしかないと思えばだめだよ」とか「あなたにあわせていらない(遠慮せずに津軽弁で話すよ」といったフレーズも、YouTubeの字幕を入れると理解できる。

農家の女性の格好をして、りんご娘が歌っているのも、もう少しはっきりわかるようにしたほうがよかったかもしれない(これも2076年という設定を外さないと難しいのだが)。

「Sebadava Mainebion」と「Tsugaru」を聴き比べることにより、吉幾三の巧みさが際立つともいえる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?