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鷹匠壽 予約への挑戦 9日目

前回までのあらすじ。
鷹匠壽の予約をとるべく、若旦那に土下座。しかし、首を縦に振らず肩を落として帰ろうかと思ったが、仕入先トラックを追いかけ、鴨の仕入先 肉のとりせんにたどり着き、鴨が新潟にいるという情報をもらう。
そのまま新潟に向かい、福島カモ養殖場で、真鴨の肉をゲット。鴨をゲットしたことを鷹匠壽へ報告すると、
天然物じゃないことをバカにされたため、大日本猟友会経由で、フランス産の天然真鴨をゲット。
七輪で焼くための玉鋼の鉄板を探す旅にでた。
 
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岩松の食べログ画像調査によると、
鷹匠寿では、真鴨の肉を焼くとき、七輪の上に玉鋼の鉄板を置き、鴨肉を一枚づつ焼くというスタイルになっている。
 
とりせんの社長に聞いた覚えがある。
昔、山などで鷹匠が狩りをする際、現地に着いたらまず火を起こし、その中に腰につけて持って行った鉄板をぶち込み、それから狩りを開始する。
鷹狩りから戻ると、鉄板が熱せられ良い状態になっているので、そこで獲れた鴨を食す。
こんなことを昔、鷹匠はやっていたらしい。
 
玉鋼を探すため、
まず手始めに、近所の金物屋に行ってみたが、そももそ玉鋼を使ったもの自体を置いていないとのこと。
次に、合羽橋のお店数点にも聞いてみた。
どうやら、玉鋼というものは貴重で、今では包丁などの普通の刃物には使われておらず
日本刀の材料になるものらしい。玉鋼を調達できるのは、刀を作っている人たちだけとのことだ。
 
刀を作る人たちのことを刀匠(とうしょう)というらしいが、調べていくと全国で300名程度。
そこで、全日本刀匠会に名を連ねる刀匠たちに片っ端からコンタクトをした。
 
刀匠の皆さんの返事は、ノーばかり。
理由は、刀とは違い分厚い鉄板を作るので、そもそも鍛錬しないと割れやすくなる。
その回数が、非常に多くなるので刀を作るときとは別の技術的なハードルがある。
 
また、材料となる玉鋼は刀匠に割り当てられている量が限られており
刀ではないものには使いたくないなど。
 
そんなような理由で、断られて行った。
 
約2kgの玉鋼の鉄板を作るためには材料が3倍必要らしい。
ある刀匠から、材料の新たな割り当ては、日本美術刀剣保存協会というところが
一手に行っているから、大量の玉鋼を使用する際は、ここに問い合わせてみては? と言われた。
 
すぐに問い合わせた。
 
結果は
『玉鋼を刀以外のものに使用するのであれば、刀匠に売ることは絶対にできません。例外としては、城の補修の際に、人間国宝の職人の方に分けたことはあります。』
という回答だった。
 
 
現在、刀以外の目的で、玉鋼を調達することは不可能。
しかし、すでに玉鋼を保有している刀匠がいれば、作ることは可能かもしれない。
岩松は、全国の刀匠全員に電話するつもりで、すべて電話しきった。
 
 
そして、岩松は、、、今、、、
 
玉鋼を持っていて、その鉄板を作ってくれる刀匠をついに見つけ、その鍛冶場がある山奥に来ている。

10日目へと続く。

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