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仮想LANって何個つくれる?タグVLANの「タグ」を徹底解剖

「タグVLANを使うとき、MACフレームのどこにVLAN IDがあるんだ?」

こんにちは!松井真也です。有線LANの標準規格「イーサネット」について、連続記事で書いております。

前回は、VLAN(仮想LAN)とは何かというお話しをしました。VLANによって、物理的なネットワークを複数の論理なネットワークに分離できる仕組みでしたね。これにより、物理的な構成に依存せず柔軟なサブネット設定ができます。そのVLANには、ポートVLANとタグVLANの2種類に分類できました。

タグVLANの概念図

この流れを受けて、今回は、タグVLANのフレーム構成を見てみましょう!タブVLANでは、スイッチがMACフレーム内にタグ付けされた「VLAN ID」を解析して、VLANを識別するのでした。でも、そのタグはどこに入るのでしょう?タグには何が書かれているのでしょう?気になりますね?

では、先を読みましょうw!

IEEE802.1Qで標準化

タグVLANは、「IEEE802.1Q」という規格で国際的に標準化されています。この規格によって、異なるメーカーのネットワーク機器間でのVLANの互換性が保証され、より柔軟で広範なネットワーク設計が可能になります。

くだんの「VLANタグ」について規定しているのも、IEEE802.1Qです。一応、覚えておきましょう。

そのVLANタグを構成する要素として、VLAN IDがあります。各VLANを一意に識別するための番号です。VLAN IDは、12ビットでできていいます。

となると、4096(2の12乗)個だけ使えそうですが、特殊な値として0と4095が予約されているため、1から4094まで使用できます。

なんだか、IPv4に似てますね。4094個を超えてLANを分割することもないでしょうから、十分でしょう。

VLANタグの構成要素

では、タグVLANは、MACフレームヘッダのどこに入れられるでしょうか?

実は、「MACアドレス」と「タイプ」の間に「4バイトのVLANタグ」が挿入されます。

VLANタグの挿入位置

VLANタグは、大きく2つの部分、「TPID」(2バイト)と「TCI」(2バイト)で構成されます。さらにTCIはPCP、CFI、VIDの3つの要素で構成されています。結構、細かいですね。

VLANタグの構成

それぞれの役割を見ましょうか!

TPID(Tag Protocol Identifier)

TPIDは、フレームがVLANタグを持っていることを示します。この値は通常0x8100で、VLANタグ付きフレームとして識別されます。

TCI(Tag Control Information)

TCIは、VLANの詳細な制御情報を含んでいます。TCIはさらにPCP、CFI、VIDの3つの部分に分かれています。

PCP(Priority Code Point)

PCPは、フレームの優先順位を示します。これにより、ネットワーク上でデータの優先処理が可能になります。0~7の値をとり、7が最優先です。

CFI(Canonical Format Indicator)

CFIは、MACアドレスのフォーマットに関する情報を提供します。通常の状況では0に設定されます。0なら正規(Canonical)です。

VID(VLAN Identifier)

VIDは、フレームが属するVLANのIDを示します。この値により、フレームがどのVLANに属しているかを識別できます。

これでタグの構成や、構成要素の役割が分かりました!

VLAN対応機器の必要性

あとは補足情報を添えておきましょう。

タグVLANを運用するためには、経路中、すべてのネットワーク機器がIEEE802.1Qに対応している必要があります。対応していない機器があると、VLANタグが正しく処理されません。

また、タグはどこで追加されてどこで剥がされるのでしょう?はい、トランクリンクに流す前に付加されて、トランクリンクを出ると剥がされます。


はい、本日はここまで!今回はVLANタグについてがっつり解説しました。VLANタグは合計5つのパートで構成されていました。名前は覚えなくてもよさそうですが、概要だけつかんでおきましょう。

おっとイーサネットシリーズで予定していた項目はこれで終わりです。次回は、何でしょう?お楽しみに!


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