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社会の在り方を激変させる「高速・低遅延・同時多数接続」:ローカル5Gの話

「5Gの高速・低遅延の基盤を自分で作れるのだとしたら何ができるかな…」

はい、こんにちは!松井真也です。新シリーズ「1分でわかる!ネットワーク用語」第15回でございます。

前回は、移動体通信の世代(1G~5G)についてお話ししました。移動体通信の歴史は、若い時のしょっぱい思い出と絡み合うので、何となくノスタルジックな気分になってしましました…。

さて、今回は、近年注目されている「ローカル5G」についてお話しします!5G技術は、「高速・大容量、低遅延、同時多数接続」という重要な特徴があります。通信事業者ではなく、一般の企業や自治体が独自に産業などにこの特徴を活用するのが「ローカル5G」です。

果たして「ローカル5G」は、どのような場面で使われているでしょうか?早速見てみましょう!

ローカル5Gとは何か?

ローカル5Gとは、簡単に言えば、企業や自治体などが自分たちの敷地内で自由に構築し、運用できる独自の5Gネットワークのことです。運用するためには無線局免許の取得が必要となります。

特定のエリアや建物内でのみ使用されるクローズドなネットワークなので、パブリック5Gに比べて高いセキュリティが確保しやすいです。

加えて、電波干渉を受けにくく安定した通信が実現できます。

ローカル5Gの3つの特徴

ローカル5Gとは何か、なんとなく分かったところで、3大特長を掘り下げてみますか!

1. 高速大容量通信(10Gbps)

ローカル5Gの一番の魅力は、なんといっても10Gbpsという高速なデータ転送能力です。

4.5GHz帯や28GHz帯など高い周波数帯を使うことで実現できるんですね(高い周波数帯を使うということは、障害には弱くなるので、4Gより基地局をたくさん設置しないといけません)。

用途の違いによって、どの周波数帯を使うべきかが変わってきます。

4.5GHz帯は広範囲のカバーが可能で、障害物の影響を受けにくいですが、大容量通信には劣る点があります。一方で、28GHz帯は大容量通信や高速通信に適していますが、電波到達範囲が狭く障害物に弱いという特性があります。

用途としては、例えば、4Kや8Kの高解像度動画をストリーミングする場合や、大量のセンサーデータを集めるスマート工場などがあります。

2. 超低遅延(約1/1000秒)

ローカル5Gのもう一つの重要な特徴は、超低遅延通信です。約1ミリ秒(1/1000秒)という低遅延は、リアルタイム通信において重要な役割を果たします。例えば、自動運転車や遠隔手術などの遠隔操作では、わずかなタイムラグも許されませんよね?

1/1000秒の差は、人間にはほとんど体感できないのではないでしょうか?

3. 多数同時接続(100万台/k㎡)

最後に、ローカル5Gは同時に多くのデバイスをサポートできる能力があります。

具体的には、1平方キロメートルあたり最大100万台のデバイスを接続できるとされています。イメージが湧かないですか?う~ん、部屋の中に100個くらいデバイスを設置しても大丈夫なくらいです。

これは、たとえば大規模なイベント会場やスマートシティなど、多くのデバイスが一斉にネットワークに接続される場所で非常に有効です。

それぞれのデバイスが安定して高速な通信を行えるため、新たなサービスの実現や効率的な運用が期待されます。

これらを活かすことで、ローカル5Gは大きな力を発揮します。

ローカル5Gのメリットとデメリット

いい面ばかり述べましたが、何かデメリットはありますでしょうか?

まず、高い導入・運用コストです。基地局設備や技術機器の購入と設置には大きな初期投資が必要です。また、維持管理には専門的な知識が求められ、継続的な運用コストがかかります。

また、ローカル5Gネットワークの構築と運用は技術的に複雑です。特に小規模企業や技術リソースが限られた組織には大きな障壁になるでしょうね…。

最後に、無線局の免許取得が必要であり、そのプロセスは時間と労力を要します。また、無線通信の規制遵守が必要で、これが導入のハードルを高めるかもしれません。

はい、本日はここまで。今回は企業自ら5Gを導入して活用する「ローカル5G」についてお話ししました。面白い活用事例がいろいろありそうなので、それを調べたかったのですが、別の機会にしましょう。

次回は、、、光ファイバーに戻って「SONET/SDH」をやります。

では!

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