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戦後復興期からTV視聴を支えた技術がインターネット基盤に!CATV

「ケーブルテレビって、TV電波が届かない地域で使われるものじゃないの?」

はい、こんにちは!松井真也です。新シリーズ「1分でわかる!ネットワーク用語」第8回でございます。

前回は、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)についてお話ししました!2000年代前半ごろ、電話線を使って常時接続を可能にしてくれた、とってもありがたいサービスでした。ありがとうADSL!すみません、取り乱しましたw。

さて、今回は、CATV(ケーブルテレビ)のお話です。なんでテレビの話?と思いましたか?いや、ごもっともです。過疎地でテレビ視聴できるようにするためというイメージが強いでしょう。しかし、実は、その設備を活用してインターネット接続にも使われるのです!

既存設備や仕組みを活かしてネット接続する点については、ADSLに近いものなんですよ!いったいどのように発展してきたのでしょうか?

さっそく行ってみよう!

CATVとは何だったのか?

CATVは、もともと地上波電波が届かない地域で、各宅にケーブルを通じて地上波テレビ信号を伝送するためにありました。

しかし、1950年代から始まったこのサービスの歴史は、かなり複雑です。できるだけ分かりやすく紐解きましょう。といっても、Wikiによくまとまった情報があるので、Wikiを参考に過去の経緯を探ります!

ケーブルTV黎明期(1950年代中盤〜1960年代)

日本におけるCATVは、1950年代中盤から1960年代にかけて、地上波テレビの難視聴地域を解消する目的で誕生しました。当時、郵政省は「公益法人による運営が望ましい」と考えていましたが、民間企業の参入も進み、1972年の有線テレビジョン放送法の成立でこの動向が定着しました。

アナログ時代(1980年代〜1990年代初頭)

1980年代に入ると、専門チャンネルの番組製作が始まり、ケーブルテレビ業者への提供が本格化しました。BSアナログテレビ放送とCSアナログ放送の誕生により、ケーブルテレビでのコンテンツ提供が増加しました。

1989年には、通信衛星を利用したCSアナログ放送がスタートし、1992年にはCSアナログ放送が一般個人向けに開始され、ケーブルテレビの普及が加速しました。

デジタル時代(1996年以降)

1996年には日本初のCATVインターネットサービスが開始されました。

デジタル化の波がケーブルテレビ業界にも押し寄せ、デジタル放送提供サービスも開始されました。2011年の地上波アナログ放送の終了に伴い、デジアナ変換によってアナログテレビでもデジタル放送の視聴が可能になりました。

以上が、Wikipediaからの日本のCATVの歴史に関する要約です。主にデジタル化への苦悩の歴史が覗えます。

都市でも使われるCATV

なんとなく山間部で使われそうなイメージのCATVですが、実際は異なります。

実は、都市型CATVとして、都市部でも情報通信を支える基盤として重要な役割を果たしてきました。1970年代に都会では高層ビルが増えて、電波受信が悪化するエリアが増えたことが背景にあります。

また、日本では、米国ビジネスモデルであるMSO(マルチシステムオペレータ:複数のCATVシステムを運営する会社)の登場により、業界は大きく変貌しました。J:COMのことです。現在は、このJ:COMさんが市場を牽引し、様々なサービスを提供しています。

技術的な進展とHFCの重要性

おっと、インターネット接続に使われるCATVの話をするはずでした…。CATVの変遷が意外に面白くて紙面を使っちゃいました。

CATVは、実は、WAN中継網に接続するための「アクセス回線(足回り回線とも)」としても使うことができます。ですから、J:COMさんも、ケーブルテレビとインターネット(さらに電話)をパッケージにしてサービス提供していますね。

引き込み回線に同軸ケーブルを使って、CATVモデムを宅内においてインターネット接続します。ケーブルテレビが使わない、同軸ケーブルの空き周波数帯を利用してデータ伝送に使うのです。

自宅に引き込まれた信号を分配する装置で、テレビ信号とデータ信号を分離します。

本来使わなかった周波数帯を流用するこの仕組み、何かに似ていませんか?そうADSLですね~。ADSLの場合は、電話回線を利用するのが異なります(前回から話はつながっているのですよ!)。

少しネットワーク用語が躍っているので補足します。

  • WAN中継網(いうなれば高速道路)

  • アクセス回線(電柱からWANアクセスポイント。いうなれば高速道路につながる一般道)

  • 引き込み回線(自宅から電柱まで。いうなれば自宅から一般道につながる私道)

引き込み回線も含めて、WAN中継網への経路を「アクセス回線」と呼ぶこともありますが、文脈で判断しましょう。

CATVからFTTHへの移行

インターネットの需要の高まりとともに、CATV網も進化を遂げています。特に注目されるのが、FTTH(ファイバー・トゥ・ザ・ホーム)への移行です。

はい、本日はここまで!今回は、CATVについてお話ししました。その歴史から、インターネット接続への活用までお話ししました。

次回は、FTTHの話をしましょう!

では!

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