見出し画像

物理的な構成の制約から解放される!ソフトウェアが定義するネットワーク「SDN」

「新しい道を構築するのか?今ある道を効率よく通るのがいいのか?」

はい、こんにちは!松井真也です。シリーズ「柔軟性×可用性を実現!ネットワーク仮想化大全」第1回でございます!

タイトルから分かります通り、「ネットワーク仮想化」に関連する技術を合計5回程度にわたりご紹介していきます。ネットワークでは、要件の変更や利用状況の変化が頻繁に起こります。その都度、物理的な構成を作りなおしてたら日が暮れますね?それを解決する技術でございます~。


まずは、「ネットワーク仮想化」の代名詞ともいえる「SDN」(Software Defined Networking)を取り扱います!「ソフトウェアが定義するネットワーク」とはいったいどういうものでしょうか?

早速いってみよう!

SDNとは何か?

SDNは、ネットワークの制御を物理的なハードウェアから切り離し、ソフトウェアを通じて中央集中的に管理する技術です。

従来のネットワークでは、ルータやスイッチなどの各機器が独自の機能を持ち、一つ一つ個別に設定する必要がありました。しかし、SDNではネットワークの制御機能がソフトウェアに集約されるため、物理的な配置や機器の種類に依存せず、もっと柔軟にネットワークを管理できるのです!

うむ、説明の内容が「ネットワーク仮想化」自体と変わりませんが(汗)、とりあえずよしとして次に行きましょう…。

SDNの主要な構成要素

SDNには、大きく2つの要素があります。「コントロールプレーン」と「データプレーン」です。

絵にしますか。

SDNの簡単な概念図

コントロールプレーンはネットワークの「脳」のようなもので、どこにデータを送るかという決定を下します。

一方、データプレーンは実際にデータを送る「手足」の役割を果たします。

この分離により、ネットワークの設定や変更をより柔軟に、迅速に行えるようになります。SDNコントローラは、コントロールプレーン内で中心的な役割を果たし、ネットワーク全体の見通しを持ち、様々なネットワーク機器と通信を取りながら、全体を統一的に管理します。

だんだんイメージが湧いてきましたね~。

SDNの2つのタイプ

さて、実は、SDNにおけるオーバレイ型ホップバイホップ型という2つの方式があります。何が違うかというと、ネットワークがデータを転送する方法が違うんです。

違いを見てみましょう!

1)オーバレイ型SDN

オーバレイ型SDNは、既存の物理ネットワーク(こちらがアンダレイとしての位置づけ)の上に仮想ネットワークレイヤ(オーバレイ)を作成します。

オーバレイ型ネットワークでは、パケットは物理ネットワークを通過する際、「カプセル化」されます。そう、トンネルを作るのです!

仮想ネットワーク内でのみ理解されるヘッダ(特にVXLANヘッダ)が付けられます。これにより、複数の仮想ネットワークが同じ物理ハードウェア上で独立して動作することが可能になります。

分かりにくいですか?

イメージとしては、既存の道路の上に新しい道路を作るようなもので、この新しい道路では、自分たちのルールで車(データ)を動かすことができます。つまり、もともとあった道路はそのままで、新しい道路を上に乗せて、そこを自由に使えるようにするわけです。この方法のいいところは、もとの道路に影響を与えずに、自分たちが必要とする道路を作れる点です。

2)ホップバイホップ型SDN

はい、続いて、ホップバイホップ型です。

これは、コントローラが経路情報を計算して、それをもとに各ネットワーク機器(スイッチやルータ)が次の機器(ホップ)に転送するアプローチです。ネットワークの各機器がコントロールプレーンと連携して、最適なパスを選択しデータを転送するんですね。

イメージとしては、ホップバイホップ型SDNでは、ネットワーク内の各機器(交差点のようなもの)が、制御室(コントローラ)と連携して、次にどの道(リンク)を使ってデータを送るかを決めます。

簡単に言うと、オーバレイ型は新しい層を追加して新しいルールで運用する方法で、ホップバイホップ型は既存のネットワークの中で最適な道を選ぶ方法ですかね。私はそう理解しております。

次に紹介するOpenFlowは、ホップバイホップ型ですから詳細は次回に回しましょう。


はい、本日はここまで!今回は、SDNとは何かをご紹介しました。

次回は、OpenFlowです!では。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?