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収束時間が圧倒的に速い!STPの高速化版「RSTP」

「パソコンをスイッチにつないだけど、すぐに使えないのだけれども…」

こんにちは!松井真也です。有線LANの標準規格「イーサネット」について、シリーズで記事を書いております。

前回は、STP(Spanning Tree Protocol)をご紹介しました。スイッチがループ状態となってブロードキャストストームが起こるのを回避しつつ、伝送経路の冗長性を確保することで信頼性を高める技術でした。しかし、諸課題がありまして、今はあまり使われておりません。

さて、今回は、STPの高速化版 「RSTP」(Rapid Spanning Tree Protocol)を取り上げます。STPは優れた仕組みではありますが、パソコンなどをスイッチに接続してもすぐに使えない…といった問題があります。これを解決するのがRSTPです。

果たしてRSTPは、どのように高速化を図るのでしょうか?では、いってみましょう!

STPの課題とRSTPへの進化

冒頭にお話ししましたとおり、STPはネットワークのループを防ぎ、信頼性を向上させるために設計されました。

しかし、STPにはツリーの再計算に時間がかかる(収束時間が長い)という問題があります。

例えば、パソコンをSTPが有効なスイッチに接続した際、すぐに通信が開始できません。この遅延は、端末がDHCPサーバからIPアドレスを取得するのにも影響を及ぼすことがあります。

また、障害が発生するなど、ネットワークのトポロジーに変化が起こると、STPではスパニングツリーの再計算に最大で50秒かかります。この間通信が途切れることになります。ちょっと長いです。

この課題を改善するのが、RSTPです。端末をスイッチに接続してから数秒で通信が可能になります。STPと比較して、ネットワークトポロジーの変更や障害発生時の収束時間が大幅に短縮されました。これにより、いっそう、ネットワークの安定性と効率性が向上します。

IEEE 802.1wとして標準化されていいます。

ポートの役割や状態がSTPと異なる

では、RSTPは、STPとどのように仕組みが異なるのでしょうか?

RSTPは、STPの基本的な動作原理は踏襲しています。STPとの後方互換性もあります。

絵にしますか。下図は「STP」の構成例です。SW1がルートに設定されています。

STPの簡単な構成例

図でいうところのRPは、ルートポート(Root Port)でルートブリッジに最小でたどり着くためのポートです。各スイッチに設定されます。が、ルートのスイッチ自体にはないです。

DPは、指定ポート(代表ポート;Designated Port)です。セグメント(コリジョンドメイン)からルートへ到達する最適なパスとなるポートです。各セグメントには一つ選ばれます。

BPは、ブロッキングポート(Blocking Port)です。ループを回避するため、通常時はこのポートがブロック状態になります。

続いて、RSTPも絵にしましょう。分かりにくいですが、SW3のブロッキングポートが代替ポート(Alternate Port)になっています。

RSTPの構成例

このように、RSTPでは、STPのポートの状態を改善し、新たに代替ポートとバックアップポートが導入されました(すみません、バックアップポートの解説は省略します)。

どのようにツリーの収束時間が短縮されるかは、勉強不足によりうまく説明できません。どうぞご了解くださいませ。

STPと比べて、ポートの種類や状態が異なることを押さえていただければ幸いです。


はい、本日は、ここまで。今回はSTPの高速化版RSTPについてお話ししました。ちょっとSTPの解説が中途半端になったので、改めて勉強し直して解説したいと思います。

次回は、リンクアグリゲーションです。

では!

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