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ネットワークの発展に重要な足跡を残した機器:リピータとハブ

はい、こんにちは!有線LANの標準規格「イーサネット」について連続記事でご紹介しております。

前回は、Power over Ethernet(PoE)についてご紹介しました。ツイストペアケーブルを用いて、スイッチなどのPSEから、ネットワークカメラなどのPDへ電力を供給する仕組みでした。少ないケーブルでネットワークを構築するのに重要な技術でしたね!

さて、今回は、まだ物理層のお話しです。今度は、ケーブルではなく集線装置です。具体的には、リピータとハブです。現代ではほとんど使われなくなりました。が、リピータやハブと何かを知って、ネットワーク技術が発展した経緯を知ることで、現代のネットワーク機器への理解を深めるきっかけにしましょう!

ということで、いってみましょう!

リピータ:伝送距離を延ばすために活躍!

リピータは、通信ネットワークにおける中継機器の一つです。OSI参照モデルの第1層(物理層)で動作します。

この装置の主な役割は、一方のケーブルから流れてきた信号を受け取り、単純にもう一方のケーブルに送り出すことにあります。この時に、リピータは受信した信号を増幅して整形して再送信します。

これにより、ネットワーク上での信号の伝達距離を延ばすことができるのです。ネットワークケーブルを連結させて、全体で一つの物理的なネットワークを構築するのが仕事です。一方、アドレスやパケットの内容を解釈して、通信を通したり通さなかったりする制御はできません。

電源ケーブルでいえば、「口が一つの延長ケーブル」みたいなものです。伝達距離を延ばすのが使命。割り切りがよいです。

リピータハブ:複数のケーブルを中継する装置

続いて、リピータハブです。ハブ(Hub)とは、一般に「何かが集まるところ」です。この場合は、ネットワークケーブルですね。

別名が多く、単に「ハブ」といったり、「シェアードハブ」「マルチポートリピータ」といったり、不名誉にも?「バカハブ」とも呼ばれます。ただし、「ハブ」と言った場合、第2層の「スイッチングハブ」を指していることもありますから、注意が必要です。

リピータハブは、受信した信号を増幅し整形し、複数のポートから複製して出力します。一言で言えば、「リピータのマルチポート版」です。リピータ同様、アドレスやパケットの内容を解釈したりしません。

電源ケーブルでいえば、「OAタップ」ですね。電源の口を延長しつつも増やせるやつです。

以上で、リピータとハブの基本はわかりました!

ハブの段数制限

ハブは、数珠つなぎにして使うことができます。「カスケード接続」と呼ばれます。電源でいうところの、「たこ足配線」ですな。

ハブのカスケード接続

ただ、無限につなげることができわけではありません。何段階も連結すると通信が正常に行えなくります。通信規格が、10BASE-Tなら「4台(4段)」、100BASE-TXなら「2台(2段)」までです。ちなみに、スイッチングハブには、理屈上、段数制限はありません。

現代ではあまり使われない

リピータとリピータハブは、ネットワーク技術が発展する過程で重要な役割を果たしてきました。

しかし、現代のネットワーク環境では、これらの機器はほとんど使われなくなっています。技術の進歩により、スイッチングハブなど、より高速で効率的な通信を可能にする機器が開発され、リピータやリピータハブは次第にその役割を終えつつあります。

とはいえ、リピータとリピータハブは、ネットワーク技術の歴史において重要な足跡を残しました。これらの機器の基本的な概念を理解すれば、スイッチやルータなど、現代のネットワーク技術を深く理解するのに役立つだろう…ということで、以上の通り紹介した次第です。

IPAの技術者試験などでも試験範囲ですから、しっかり押さえておかねば。


はい、本日は以上です。今回は、物理層の集線装置、リピータとハブについてご紹介しました。歴史的経緯を知るのも大事ですが、これくらいにしておきましょう。

次回は、機器のつなぎ方、「ネットワークトポロジー」です。

では!

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