2017年、世界を震撼させたランサムウェア「WannaCry」
はい、こんにちは!松井真也です。
今日は、2017年に世界中で大騒ぎになった「WannaCry(ワナクライ)」というランサムウェアについて、わかりやすく解説します!直訳すれば「泣きたい」という名前のこのランサムウェア、どんな被害をもたらしたのでしょうか?現代のランサムウェアと何が違うのでしょうか?
さっそく見てみましょう!
WannaCryはどんな悪さをするのか?
WannaCryは、ランサムウェアの一つです。つまり、被害者のデータを暗号化し、それを解除するための身代金を要求します。古典的ですね。
具体的には、WannaCryはMicrosoft Windowsを使用するコンピュータを標的にし、データを暗号化してビットコインでの支払いを要求しました。身代金を支払わなければ、被害者はデータにアクセスできず、日常業務が大幅に妨げられました…。
WannaCry攻撃の仕組み
WannaCry攻撃の背後には、EternalBlueという攻撃ツールがありました。
実は、このEternalBlueは、もともと米国国家安全保障局(NSA)によって開発されたものです。しかし、Shadow Brokersというハッカー集団によって流出されてしまいました。
彼らは、このツールを使って、Microsoft Windowsのファイル共有機能(SMBv1)の脆弱性を悪用しました。
これに対して、Microsoftが無策だったのではありません。WannaCry攻撃が発生する2か月前にセキュリティパッチをリリースをリリースしていたのです。しかし、多くのユーザーや組織がセキュリティアップデートを怠ったため、攻撃の被害を受けました。
改めて、定期的なアップデートって本当に大事ですね…。
WannaCryの影響
2017年5月、WannaCryランサムウェア攻撃は全世界150以上の国で約230,000台のコンピュータに影響を与えました(Wikiより)
イギリスの国民保健サービス(NHS)など、多くの大規模な組織が次々と被害を受けました。NHSでは、病院のシステムがダウンし、救急車のルートが変更されるなどの深刻な影響が出ました。
先日紹介したランサムウエアQilinにより被害同様、病院はランサムウェア攻撃を受けていしまうと被害は深刻です。
現代のランサムウェアとの違いは?
こんな被害をもたらしたWannaCryですが、現在猛威を振るっているLockBitなど特徴が異なります。
1)WannaCryは、RaaSモデルではない。
RaaS(Ransomware-as-a-Service)モデルは、Operatorがランサムウェアをサービスとして提供し、他の攻撃者(Affiliate)がそのランサムウェアを使用して攻撃を実行するモデルです。役割分担しているわけです。
WannaCryはこのモデルではありません。攻撃ツールをサービスとして提供してたわけではありません。WannaCryは自己伝播する特性(ワーム)を持ち、被害を拡大していきました。
2)二重脅迫ではなく、身代金の要求のみ。
二重脅迫とは、単にデータを暗号化するだけでなく、データを盗み取って公開するぞ!と脅す行為を指します。
WannaCryの場合、被害者のファイルを暗号化してアクセスを制限し、復号化のために身代金を要求しましたが、データの公開や漏洩を脅す二重脅迫の手法は用いられませんでした。
他方、現代のランサムウェアは、二重脅迫が基本です。より質が悪いですよね。
はい、本日はここまで!2017年に世界をパニックに陥れた「WannaCry」のお話しでした。
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