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複数のノードが同時に送受信!物理経路を切り離す「スイッチングハブ」
「スイッチングハブの中でデータが衝突しないのはなぜだろう?」
こんにちは!松井真也です。有線LANの標準規格「イーサネット」について、連続記事で紹介しています。
前回は、コリジョン・ドメインとは何か?というお話しをしました。コリジョン・ドメインは、まさにデータの衝突が起こるセグメントのことでしたね。
![](https://assets.st-note.com/img/1705608877235-MK08j5J3SP.png)
できるだけ小さくするのが吉でした。それを可能にするのが、スイッチでしたね!
ということで、今回は、データリンク層の中継機器である「スイッチ」の概要についてお話しします。スイッチによりデータの衝突(コリジョン)は避けられるのですが、でも一体どういう仕組みなのでしょうか?
早速、見てみましょう!
スイッチングハブの「基本の”き”」
スイッチングハブ(あるいは、L2スイッチ、単にスイッチ)は、ネットワーク内のデータ伝送を効率化するのに大きく貢献する中継機器です。
従来のリピータハブが受信した信号をそのまま全ポートに再送信します。すると、帯域を圧迫するし、コリジョンも発生しやすくなりますね。
一方、スイッチングハブは、宛先を管理する「MACアドレステーブル」を作り、半導体メモリに一時保存し、宛先を特定して関連する機器のみに送信できます。
この機能により、無駄な信号のやり取りを減らし、伝送効率が向上します。
![](https://assets.st-note.com/img/1705609560370-9iCxnjX07N.png)
物理バスの分離
スイッチングハブの中心的な機能は、物理バスの分離です。
物理バスとは、データ伝送路のことで、スイッチングハブではこの伝送路が各接続ポートごとに独立させることができます。このため、複数のノードが同時にデータを送受信しても互いに干渉しません。結果的にネットワーク内の通信がスムーズになり、データ転送速度が向上します。
![](https://assets.st-note.com/img/1705609811374-tjLp2T258r.png)
ブリッジとの違い
では、以前紹介したブリッジとの違いは何でしょうか?ブリッジもデータリンク層の中継機器でしたね。簡単におさらいしますか。
ブリッジは、フレームを解析してソフトウェア的に通信を切り替えるところ、スイッチは、ハードウェア的に切り替えるのでした。
また、ブリッジがその名の通り、コリジョンドメインの橋渡しがメインの仕事である一方、スイッチはマルチポート化して集線し、送信先を切り替えることで効率的なデータ送信を行うのが仕事です。
ただし、ブリッジという機器は、スイッチに置き換えられて現代では見かけないシロモノです。
ここまでOKですね!
MACアドレステーブルの自動作成
前述したように、スイッチングハブでは、「MACアドレステーブル」を用いてデータの宛先を特定します。
MACアドレステーブルは、ポートとMACアドレスの対照表だと思えばいいでしょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1705610690623-SFuUj5EhXl.png)
でも、その「MACアドレステーブル」は誰がどう作るのでしょうか?管理者が?はい、それも可能ですが、実は自動的に作らせることが可能です。
MACアドレステーブルのエントリーは、デバイスからデータを受け取ることで追加されるのです。
ステップごとに流れを確認しましょう!起動時は、MACアドレステーブルは空になっています。
スイッチがデータパケットを受信します。
パケットから送信元のMACアドレスを読み取り、もし未登録ならテーブルに記録します。
宛先のアドレスを知らないので、送信元を除くポートにブロードキャストします(フラッディングといいます)!
宛先の端末だけがフレームを返信する。
スイッチは、返信フレームの送信元アドレスとポートを記録します。
ポイントは、
送信元アドレスを見て登録するのであって、送信先アドレスを見て登録するのではない
ということですね。送信先アドレスを見ても、ポートとの対応関係は分かりませんからね。
はい、本日はここまで!今回は、スイッチの概要についてお話ししました。スイッチには重要な機能や役割が他にもありますが、今回は概要がつかめたのでOKとしておきましょう!
次回は、スイッチについてもう少し深堀しましょう!
では!
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