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1分で氷解!光ファイバーの通信規格

こんにちは!有線LANの標準規格「イーサネット」について連続記事でご紹介しております。

前回は、光ファイバーケーブルの2つのモードついて解説しました。

光ファイバーケーブルの構造

シングルモードファイバー(SMF)は、超高速、長距離OKですが、高価で取り回しがよくないのでした。一方、マルチモードファイバー(MMF)は、やや高速、短距離ですが、SMFより廉価で取り回しもよいのでした。

さて、今回も光ファイバーケーブルのお話です(ケーブルはさらりと終わらせるつもりが、楽しくなってどっぷりとハマっておりますw)。その光ファイバー通信の規格にダイブ・イン!しましょう。

例によって、「●●BASE-●●」という規格名(本当は通称。正式にはIEEE802.3●●という表記)がたくさん出てきます。

が、おそれるにたらずです。覚え方のコツも最後に少しだけ紹介します!
では、いってみましょう!

光ファイバー通信規格を読みとこう!

光ファイバーケーブルは、データセンター、インターネットのバックボーン、LAN、さらには一部の一般家庭に至るまで、幅広い環境での高速なデータ通信を支えています。

このように用途も幅広く存在し、また高速化へのニーズは高まっていく一方ですので、通信速度やモードなどに応じた様々な規格が存在しています。

その規格の型は、「●●BASE-●●」でしたね。この「●●」に埋められる値が一体何を表すのか、今一度振り返りましょう!次のとおりです。

【通信速度】BASE-【通信距離、媒体、波長など】

少し補足しましょう。

  • 通信速度: 光ファイバーを通じてどれだけ速くデータを送れるかを示す指標です。単位は一般にMbps(メガビット/秒)やGbps(ギガビット/秒)で表されます。

  • BASE: "Baseband"の略で、「基底帯域」を意味します。簡単にいうと、伝送するデータが元の形で伝送されることを示しています。なお、無線LANでは、ベースバンド信号を変調して、キャリア波を作って送り出します。

  • 通信距離、媒体、波長など: Tはツイストペア、Cは同軸ケーブル、SとLは光ファイバーだと思ってください。

具体的な規格の解説

はい、規格の型は分かりました。では、具体的にどんな規格があるか、簡単に見ていきましょう!

1)ギガビットイーサネット

  • 1000BASE-X: 光ファイバーを用いたギガビット通信名です。企業ネットワークやデータセンターでの利用が一般的です。この規格は次の2つに分類できます。

  • 1000BASE-LX (L=長波長レーザ): この規格は長波長レーザーを使用し、より長い距離(通常は最大5kmまで)のデータ伝送に適しています。広いキャンパスや都市間ネットワークで使用されます。

  • 1000BASE-SX (S=短波長レーザ): 短波長レーザーを用い、主に短距離(最大550m)のデータ伝送に適しています。この規格は、オフィスビル内やデータセンター内の接続に広く用いられています。

2)10ギガビットイーサネット

まずは一般法則からチェック!

  • 10GBASE-W:WAN向け

  • 10GBASE-R:LAN/MAN向け

  • 10GBASE-X:回線を束ねたもの

  • 10GBASE-Z:Extendedしたもの。伝送距離最長80km。

  • 10GBASE-E:Extendedしたもの。最長40km。

  • 10GBASE-L:Long。最長10km。長波長という説明もあります。

  • 10GBASE-S:Short。最長300m。短波長という説明もあります。

これらのアルファベットを組み合わて規格名になります。代表格は次の2つです。

  • 10GBASE-SR: 主に構内での高速ネットワーク構築に利用され、最大300mの伝送距離を持ちます。

  • 10GBASE-LR : 長距離伝送に特化しており、最大10kmまでのデータ伝送が可能です。広範囲のキャンパスネットワークや都市間の接続に適しています。

3)100ギガビットイーサネット

最後にそこまで速くするか!と言いたくなる100G通信です。規格は乱立している模様ですが、代表格は次の通りです。

  • 100GBASE-SR4: この規格は100ギガビットイーサネット用の短距離伝送規格です。'4'は4つの光チャネル(それぞれ25Gbps)を使用することを示しています。主にデータセンターなどでネットワーク構築に用いられます。

  • 100GBASE-LR4: 最大10kmの距離での伝送に適しており、広範囲のネットワークでの使用が想定されています。

覚え方のコツ

最後に覚え方のポイントを少しだけお話しましょう!ただ、規格はベンダー規格含めたくさんあるので、例外があるかもしれませんのであしからず。

  • Sがつくならば、それはシングルモードではない!です。Sにつられて、「Single mode」だな!と思ってしまいますが、実は逆です。Sは短波長Short Wavelength/短距離Short Range(Reach)ですから、「マルチモード」の方ですよ。

  • Xは、ツイストペアを使う場合も含めてイーサネット共通の一意に決まったルールがないです。調べるといくつかの説明が出てくるのですが、Xが何を意味するかを深刻に考えない方がよいようです。


はい、本日はここまで。今回は、光ファイバー通信の規格についてご紹介しました。規格名のナゾが少しでも解けたら幸いです。

次回は、Power over Ethernetをやりましょう。では!



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