見出し画像

古き良きボーイズクラブには入りたくない!と決めた。

1.毎年、5月の第二日曜日は筆頭取引先新聞系統会の合同総会でした

 新聞販売店には取引によって「専売店」「複合販売店」「完全合売店」と分類されますが、弊社は代々、地元地方新聞を取引の筆頭に、一つの東京紙系統、一つのブロック紙系統、一つの地域紙系統、宗教系、政治系、これ等以外を扱う複合販売店です。その中の一つで生業の基軸となっている取引筆頭の地元地方紙系統の販売店会の総会とその新聞社との合同総会が5月の第二日曜日に開催される恒例行事があります。
 弊社は複合販売店ですが、月決め定期購読されるお客様に寄り添い、筆頭取引新聞を基軸に置きながらも、一つの系統だけに迎合すること無く、各種新聞商品を正しく説明し公正で、かつ特定商取引法の訪問販売ルールを遵守した業務を貫いてきました。地方の岩手県紫波郡で基軸である地元地方紙がお客様にモテると東京紙系もブロック紙系も地域紙系も鎬を削って新聞商品全体の品質向上につながる!と積極的に辛口意見する販売店主として業界内では有名でした。

2.敵は内部から派生した

 2016年(平成28年)の総会以降、私は「古き良きボーイズクラブ」には入りたくないと思いはじめました。2014年(平成26年)に取引先の社長が変わり、新しい人事組織と関わる業務が始まりました。それと併せて業務受託側である販売店会組織も変わり始めました。
 一番大きかったのは、一販売店店主名義一名会員の販売店会であるにも関わらず、時の販売店会会長が自店の社長に娘婿が就任したことで、一販売店二名会員を成立させました。販売店会事務局の新聞社側の見解は、二名分の会費を納めているので問題ない、と会則からは理解しがたい事例をつくってしまいました。その後、販売店会組織の再編に併せて会長店の社長は、販売店会の専門委員会の副委員長になり、委員長になりました。
 2018年(平成30年)の総会の時、議案に会長動議がおこり、自店の社長を理事とする議案と、その後に副会長とする議案がダブルで提案されました。そもそもの二名会員に加えて自店社長を副会長に任命するための私利私欲な人事案件に対し、勇気を持って会則に則っての理不尽さを指摘したのは私だけでした。結果、この案件は会長自身が取り下げた議案となりましたがその後、会員としての私と業務上の弊社に対し嫌がらせが露骨になりました。
 時を同じくして、新聞社側の人事異動も重なり、取引先担当から弊社への圧力が増し、業務支援要望等は軽視され続けるようになりました。

3.朝日新聞阪神支局襲撃で凶弾に倒れた小尻知博記者に想いを馳せる

 朝日新聞社に入社され、最初の赴任地が岩手県盛岡市の朝日新聞盛岡支局(現:盛岡総局)だった広島県呉市出身の小尻知博記者は、次の異動で阪神支局配属となり、1987年(昭和62年)5月3日憲法記念日に「赤報隊」と名乗る犯人の凶弾に倒れ29歳でこの世を去りました。
 盛岡支局時代、私は高校生でしたが先代の父のもとを何度か訪れ、盛岡市近郊の紫波郡の情報など話していたことを覚えています。当時高校三年生で卒業間近に盛岡市内の吹奏楽部仲間と企画していたイベントを記事にして頂いたことは大切な思い出です。
 毎年GWになると小尻さんを想い大きな節目の33回忌には必ず献花と香典を捧げて合掌しに阪神支局に行こうと決めていました。
 その33回忌である2019年(令和元年)5月3日、小尻知博記者の遺影に合掌し自分の生き様に一つ約束を果たし、生き方にけじめをつけました。

4.担当医師の勧めもあり、自身がストレスを受ける環境から離れることができました

”Don’t wanna be part of the good ol’ boys club”
(古き良きボーイズクラブには入りたくない)
旧態依然としたヒエラルキーを持った企業や組織にどうしても関わらざるを得なくなる局面があるとともに、下手をすると自分もそうしたボーイズクラブの一員になってしまう可能性の中で生きている。日本の社会の中で男性として生きるということはそういうことで、自分もかつてそうした男性優位社会の中で甘んじ、特権的待遇を受けてきた過去があることも含め、改めていろいろと考えさせられる一年でした。

BOOKNERD 早坂大輔 氏

 同業経営者からの嫌がらせと取引先新聞社からの理不尽な圧力による精神的苦痛から、眠れない毎日を克服するべく専門病院の門をたたき通院しながらの病と共存する中で、担当医師からの勧めもあり、生業を直ぐ捨て自分を解放することは経営者としてできないけれども、理不尽な環境や関係は断とうと医師の診断書を添えて、この販売店会を退会することができました。

5.息子等世代の未来の為に『Reboot計画』を実行段階へ

 新聞業界は斜陽産業と称され、希望と伸びしろがある明るい未来を示せる業界オピニオンがいなくなりました。「副業」や「M&A」の事例が増えてきましたが、『複業』を目指して『新聞屋』が『新分野』へ生まれ変わるキッカケとなる息子等世代の未来の種を蒔きます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?